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【経済インサイド】
格安スマホ業界で波乱 日本通信がソフトバンクとバトル 「接続拒否」と激怒しているが…
三田会長は「ドコモと同じにしてもらいたいだけだ」と主張。福田社長は「3、4カ月ぐらいで総務省には判断してほしい」と早期解決に期待をかけている。
折しも、日本通信が申し入れした1週間後には、総務省は、MVNOが大手から回線を借りる接続料の値下げなど、MVNOをさらに普及させるための有識者会合を開始した。日本通信は、こうしたタイミングを見計らった上でソフトバンクとのいさかいを表面化させたとの見方もあるが、総務省の方針に合わせて、ソフトバンクは早速、会合の中で日本通信の意向に配慮した方向で方針の変更を示した。
ソフトバンク側は、13、17日に開かれた会合で、SIMロック期間の短縮に言及。「180日間を120日にすることを検討している」と具体的な日数も示した。この発言は直接は、日本通信の主張に回答したものではないが、SIMロック期間が短縮されれば、ソフトバンク利用者がMVNOに移ることができる“待ち時間”も短くなることになる。有識者からはSIMロック期間を0日にすることを求める声も出ており、もしそうなると、すべての端末がSIMフリー端末となる。
有識者会合は11月に意見をとりまとめ、総務省はSIMロック指針の見直しなどを検討する。一方、日本通信の申立書に対する判断は「数カ月からそれ以上」(総務省幹部)かかる見通しで、会合とは別の時間軸で進行する見込み。それでも、SIMロック期間の短縮などの指針の見直しが、総務省の判断に影響する可能性もあり、予断を許さない状況だ。(大坪玲央)