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【社会】

「避難いじめ」千葉でも 「福島のやつの意見は聞かねえ」 

 東京電力福島第一原発事故の影響で福島県から千葉県内に避難した三世帯の子どもが、転校先の県内の学校で、いじめが疑われる被害に遭っていたことが分かった。避難者らが国と東電に損害賠償を求めている集団訴訟の弁護団が二十七日、明らかにした。

 弁護団によると、三世帯はいずれも千葉地裁の訴訟の原告。弁護団が、子どもに対するいじめと疑われるような事例がないか調べたところ、少なくとも三世帯で確認された。

 ある世帯では、子どもが福島県から転校した際、同級生から「何で福島から来るんだ」「福島のやつの意見は聞かねえ」などと言われた。この子どもは周囲に黙ったまま再び転校せざるを得なかったという。転校先では、避難者であることを明かさないよう、学校側に求めた。

 別の世帯の子どもは、五年ほど前に県内の小学校に転校した際、同級生から「放射能が来た」などと言われたことを、最近になって母親に打ち明けたという。もう一つの世帯では、子どもが学校でいじめられたと話しているという。

 千葉県教育委員会は、県内へ避難し、千葉市を除く公立小中学校、高校、特別支援学校に現在通っている児童、生徒の計二百七十人について調査。いじめは確認されなかったとの調査結果を今月十八日に発表している。千葉市教委も市内の小中学校の児童生徒五十四人について、いじめはなかったとしている。

 県教委によると、過去にも、東日本大震災や原発事故に絡むいじめは確認されていないという。

 原発事故避難者へのいじめを巡っては、福島県から横浜市に避難した現在中学一年の男子生徒が、小学校時代に同級生から「放射能」と呼ばれたり、計百五十万円をせびられるなどのいじめを受けていたことが判明。福島県から新潟市に避難した小学四年生の男子児童が担任から名前に「菌」を付けて呼ばれていたほか、川崎市でも、いじめが疑われる事案が明らかになっている。

(東京新聞)

 

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