突然自転車が壊れる。そんな事例が続発している。運転中にハンドルが折れたり、あるいはタイヤが外れたり……。自転車に見えない爆弾がついていて、ある日いきなり大破する、そんなイメージだ。車と違って国が定める安全基準がなく、型式指定審査のようなチェックシステムもない。輸入自転車の9割を占める中国をはじめ、海外から欠陥商品が流入している問題も指摘されているが、国産製品も例外ではない。けがをした人がメーカー側の製造物責任を問い、訴訟に発展するケースも相次いでいる。“自爆自転車”を見抜くにはどうしたらいいのか−。
一瞬のことだった。
平成26年12月13日の昼下がり。大阪市城東区で集金業務にあたっていた内山俊平さん(52)=仮名=は気がつくと、路上に投げ出されていた。左肩に激痛が走り、起き上がれなかった。
直前まで、2日前に購入したばかりの自転車をこいでいた。トップギアの6段に変速した瞬間、ペダルの空転現象が起き、バランスを崩したのだ。
「何が起こったのか……」。内山さんは苦痛に耐えながら、通りかかった女性に救急車を呼んでもらい、病院に搬送された。診断結果は左腕骨折など全治1年3カ月。それから休職を余儀なくされた。
内山さんは憤る。「この事故で私の生活は一変した。本当に許せない気持ちだ」
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