お仕事中の皆様の一日の楽しみといえば、「ランチ」。
朝は抜いても、お昼を抜く方はあまりいないのではないでしょうか。そのランチ、毎日食べるものならなるべく、安く美味しくいただきたいもの。
お安いコンビニ飯やファーストフードで済ませるのもアリですが、500円で美味しく、さらにボリューミーで大満足なランチがいただけたらお腹もお財布も嬉しいですよね。
今回は500円で大満足すぎるランチがいただけるという噂を聞きつけて、浅草にやってまいりました。
これが河金の500円ランチ!ワンコインでお腹いっぱいになれる!
今日のワンコインランチはコレ!みんな大好き「カツ丼」。
注文されてから、肉叩きで肉の繊維質を断ち切り、衣をつけて揚げるため、お肉がとっても柔らかい!
卵もしっかり使われているので箸ですくってもごはんだけ・・・(泣)なんてことはありません。
お肉は茨城の常陽牧場のSPF豚を使用しており、大満足の質と量です。こちらに味噌汁
とお新香がついて500円は素晴らしい!
河金の500円ランチは日替わり。今日はカツ丼でしたが、他にもメンチカツや鶏のから揚げカレー、オムライスなどメインは店主の気まぐれで10数種類もあるのだそう。
明日の日替わりは何だろうとウキウキした気持ちにもなりますね。
800円の河金丼のボリューム感もやばい!
500円のランチの他にも800円の河金丼やしょうが焼き定食、ソースカツ丼、1,000円のヒレカツ定食などなど豊富なラインナップが取り揃えられています。
一番人気は河金丼。メニューには小さく「名物かつカレー」という文字も添えられています。丼なのか、カレーなのか不思議に思いつつ、早速注文してみました!
ご飯はまったく見えないものの、端っこにかつがチラリ。目の前にはたっぷりとカレールーがかかった丼がやってきました。
おお、これが河金丼。丼ですから、平皿に盛られてないのですね。
河金丼にも味噌汁と福神漬けがついてきます。
ランチのカツ丼と同じ大きさのカツがのっていてボリューミー。しっかりと食べごたえがあります。
カレーは昔ながらの中辛で甘味も感じられる和風カレー。ピリッとスパイシーなルーではなく、隠し味にしょうゆ・ソース・砂糖を使っているためマイルドで、どこか懐かしい味です。そして、運ばれてきたときには気が付かなかったけど、千切りキャベツがカツの下に!
なんでもこのかつカレー、お客さんの声によって生まれたメニューだそうです。
大正時代、その頃は屋台スタイルでとんかつや、カレーを提供していました。その時のお客さんが「カツとカレー、一緒にしちゃえばいいじゃん!」という一声により、カツカレーが誕生しました。
一緒にするということは、カツの付け合せであったキャベツものせるということ。そのため、千切りキャベツが敷いてあるカツカレーになっています。
そして驚くことに実は今では当たり前のようにあるカツカレーを日本で最初に始めたのは同店だったのだとか!カツカレーのルーツはここにあったのですね。
ランチ以外に来たらこれ。 百匁のロースとんかつ。
河金丼の次に気になるのが百匁のロースかつ。ひゃくもんめ?もんめってってなんぞや?
匁(もんめ)。これは、尺貫法による重さの単位のことで、1匁は3.75gで5円玉と同じ重さです。
つまり百匁は375g。375gのロースかつのことでした。先ほどまでに紹介したカツ丼や河金丼に使われていたカツは100g。では、375gのカツはどれほど大きいのか比べてみました!
どーん!!で、でかい・・・!!大きさの違いは一目瞭然です。
気になるお味はというと、とっても柔らかくてジューシー。
カツ丼や河金丼に使われていたもも肉よりも厚みがあり、格が違いました。
河金のカツはすべてラード100%で揚げられている割にはアッサリしています。
また、パン粉は細かいため、より軽さを感じられます。定番のソースも美味しいけど、店主オススメはレモン×塩!
お肉の脂の甘味が引き立ちます。この食べ方もお客さんに教えてもらったんだそう。から揚げや天ぷらにレモンと塩を振りかけても美味しいからとんかつに合わない訳がないですよね。
メニューには30匁~150匁と幅広いため、お好みの重さを選べます。肉好きさんは70匁、女性は50匁がオススメです。
ちなみにメニューにはないけど、200匁までは提供できるとのこと!200匁っていうと750g。このとんかつが2枚分・・・。
我こそは!という方は是非チャレンジしてみてください。
芸人さんが足しげく通った浅草の老舗、河金
河金は大正7年(1918年)にオープンし、もうすぐ100年を迎える老舗。
初めは屋台でとんかつとカレーを販売していました。のちに、東洋一の劇場と呼ばれた国際劇場の隣に店を構えました。
当時、国際劇場に出演していた東八郎さんや20世紀を代表するジャズ演奏者のルイ・アームストロングさん、江利チエミさんなどに愛され、芸人さんによる口コミで河金は浅草で知られるようになりました。
その国際劇場の隣にあった本店は跡継ぎが後を継がず30年前に閉めてしまいましたが、すでにのれん分けして営業していた河金千束店が今もそののれんと味を繋いでいます。
店内はカウンターとテーブルの2種類の席があり、開店祝いにいただいたという風格と味わいを感じさせる看板。
河金が長く、愛され続ける理由
浅草では有数の有名店でもあり河金ですが、カツカレー発祥の店ということは実は、全国的に知られているわけではありませんでした。
それは「本店を営んでいた曽祖父が昔かたぎだからあまり自ら宣伝をしなかった。ここ何年かでインターネットが普及し、知られるようになった」と語る河金千束店の店主。
昔ながらの個人店がここまで長く続いてきたのはメディアではなく、お客さんの直接の声に耳を傾けてきたからだと感じます(現在はfacebookページを活用して、日替わり500円ランチを写真付きで紹介していますのでチェックしてみてくださいね)。
お客さんの一言で生まれたカツカレーや百匁ロースかつ。他にもメニューにはないけど「河金丼のかつを百匁で!」という要望があれば、オリジナルのものも作ってくださります。
「もともとお客さんの要望を聞いて河金丼も生まれた。出来ることは全部やりたい」そう語る店主の料理や義理人情を大切にするご姿勢にお腹だけでなく心も満たされるはずです。
ぜひ浅草にお立ち寄りの際は行かれてみてはいかがでしょうか。
紹介したお店
とんかつ河金 千束店
TEL:03-3872-0794
住所:東京都台東区浅草5-16-11
影山奈々恵
管理栄養士×フォトグラファーとして幅広く活動。
保育園で活きた食育や給食・おやつを通して「なんでも食べる子ども」を育んでいるだけでなく、食に関する記事をサイトへ寄稿。
ポートレートや料理をはじめ、イベント、ウェディング、演奏会など様々なジャンルの撮影では、「ありのまま」や「日常」を大切にし、その瞬間を切り撮る。
Facebook https://www.facebook.com/nanae.kageyama.9
(編集:河瀬璃菜/フードクリエイティブファクトリー)