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 西日本鉄道は26日、天神大牟田線の大橋駅(福岡市南区)を8月から特急の停車駅にすると発表した。西鉄の全72駅の中でも利用者が3番目に多く、利便性を高める。駅ビルも2019年春までにリニューアルして、周辺の活性化も狙う。

 「福岡市が発展するためには、天神・博多を軸に、複数の副都心を形作る必要がある。東の千早や香椎、西の西新と並んで、南の大橋も発展できるようにする」。倉富純男社長は同日の記者会見で力説した。

 大橋駅の1日平均乗降人数は3万5355人(15年度)で、西鉄福岡(天神)駅、薬院駅に次いで多い。だが天神大牟田線(49駅)で1日に上下約60本運行している特急停車駅(9駅)には入っておらず、普通と急行しか止まらなかった。

 特急駅になることで、西鉄二日市駅以南から大橋・高宮・平尾の各駅への所要時間は、最大で12分短縮される。大橋駅の周辺には学校や行政機関、病院が多くアクセスが向上する。また大橋駅を起点に、南区内や福岡県那珂川町を結ぶバス路線も多く、大橋駅を使った福岡市中心部への利便性も良くなる。停車駅が増えることで特急の所要時間は数分増えるが、重要な事業エリアの一つに位置づける大橋駅の利便性向上に、西鉄はかじを切った。

 78年完成で老朽化した駅ビルは、リニューアル。屋内のバス待合所も新設する。40店舗が入る「大橋西鉄名店街」は半数の店を入れ替えて、日常生活に役立つ店を増やす。総工費は約33億円。工事は2期に分けて、今年7月から始める。(角田要)