ところが表議員はフェイスブックで「撤去するかどうかは私が介入できる問題ではなく、画家の表現の自由に属する領域だ」として事実上の撤去拒否の考えを示している。表議員は「問題となった作品があることは展示会が始まってから知った」とした上で「『汚い眠り』は私の趣向にも合わない」などともコメントしている。しかし保守系のサイトが表議員の家族を風刺した絵をネットに掲載すると、表議員は「私の家族、特に未成年者である子供への攻撃はやめてほしい」などとして配慮を求めた。
与党セヌリ党、保守系の「正しい政党」、さらに別の野党「国民の党」の女性議員らは「表議員は謝罪すべきだ」とする声明を発表した。セヌリ党は表議員に議員辞職を求め、所属議員全員の連名で国会に懲戒案を提出することを決めた。しかし共に民主党の女性議員や、女性民友会などを除く野党系の女性団体は批判声明を出していない。
一方で問題となった作品は国会事務局が撤去する前に、ある60代男性によって取り外された。この男性は「文氏も批判的なコメントを出したのだから、すぐそれに応じて対処すべきではないのか」と叫びながら作品を床に投げ付けた。男性は「これは韓国女性に対するセクハラだ。非常に恥ずべきことだ」とも述べた。その後、朴大統領を支持する保守団体の会員30-40人が集まり、問題の作品をばらばらに破った。その際、主催者側と一時もみ合いとなったため警察が駆け付け、最初に作品を破った男は警察に連行された。
これに展示会を開催した画家たちは反発している。画家らはこの日声明を出し「共に民主党は大統領を出すことに必死だが、表議員だけをいけにえにするな」などと主張した。作家らはさらに「セヌリ党の論評から始まり、朝鮮日報など複数の保守系メディアが問題を歪曲(わいきょく)しているのを見ると、一連の動きを背後で操る勢力があるはずだ」などと疑問を呈し、作品を損壊した保守団体に賠償と謝罪を要求している。また展示会に出展された他の作品は、保守政権に批判的なネットメディア「ナッコムス」がかつて拠点を置いていた大学路のあるカフェに移された。