最大野党「共に民主党」の表蒼園(ピョ・チャンウォン)議員が国会に展示した絵画をめぐる問題が政界全体に飛び火している。これはある有名な裸婦画に朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の顔を合成した作品だが、今や「風刺」というよりも「セクハラ」あるいは「女性全体への冒涜(ぼうとく)」といった見方が広まり、共に民主党と文在寅(ムン・ジェイン)前代表が火消しに終われている。しかし保守層や女性団体などはもちろん、一般国民の間でもすでに反発の声が出始めている。
これに対して当事者の表議員は「作家の表現の自由に属する領域だ」として謝罪を拒否しており、また画家たちは「問題が拡散する背後には保守団体がいる」などとして、混乱を政治対立の構図に持っていこうとしている。
表議員は今月20日から国会議員会館1階のロビーで、いわゆる「文化人ブラックリスト」に掲載された画家らと共に問題の展示会を開催していたが、その中に、ある有名裸婦画に朴槿恵大統領の顔を合成した作品が展示されていた。タイトルは「汚い眠り」。これが23日ごろから問題となった。ネットでこの問題を報じる記事などは、どこも表議員や共に民主党を批判するコメントがあふれ、まさに炎上状態だ。
問題が大きくなると、共に民主党の執行部は24日朝から緊急の最高委員会を開き、党の倫理審判委員会で表議員から事情を聞くことにした。また同じ頃、文在寅氏もフェイスブックを通じ「非常に心苦しく遺憾なことだ。国会で議員が主催した展示会の作品としては適切でなかった。政治では品格と節制が必要だ」などとコメントした。文氏を支持するグループのある関係者もチャットルームなどで「これはあまりにもやり過ぎだ」として表議員を非難していたという。
野党関係者の間からは「リベラル陣営の側は表現の自由という観点から譲ろうとしないが、共に民主党は大統領選をにらんで早めの火消しに乗り出したようだ」といった見方が出ている。表議員は先日「65歳以上は選出職(投票によって選ばれる役職)に出馬できないようにすべきだ」と主張するなど、非常に目立つ言動がたまにあることから、共に民主党の執行部と文氏は「高齢者、女性、中道的な考えを持つ有権者の支持を失いかねない」として、表議員に何らかの処分を下す方向で検討しているという。
問題が収まる気配を見せないことから、国会事務局は「問題の作品を自主的に撤去しなければ、展示会の開催許可そのものを取り消す」と表議員に文書で伝えた。事務局も当初から主催者側に懸念を伝えていたが、表議員らは「風刺漫画は展示しない」と説明したため、事務局は開催を認めたという。