韓経:「韓日米FTAで新しいグローバル通商秩序の主導を」

韓経:「韓日米FTAで新しいグローバル通商秩序の主導を」

2017年01月26日11時26分
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]
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  米国の環太平洋経済連携協定(TPP)離脱による新たなグローバル通商・安保秩序に対応するための戦略として、韓国・日本・米国間の自由貿易協定(FTA)を締結するべきだという主張が提起されている。民主主義と市場経済を共通分母にした新たな自由貿易地帯結成に韓国が積極的に取り組む必要があるということだ。通商専門家らは近くこれに関連する議論を公論化することにした。

  ◆韓日米FTAで対中交渉力を高めるべき

  韓日米FTAを推進しようという提案は、昨年11月の米国大統領選挙でトランプ候補が当選した直後から韓国国内の通商専門家の間で出始めた。トランプ大統領がTPP離脱と北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を公言しただけに、韓国もこれに歩調を合わせて新しい通商戦略を準備する必要があるということだ。すでに数人の通商専門家はいくつかの経路を通じて政府に関連の提案をしたことが分かった。

  ホ・ユン西江大国際大学院長は「TPP離脱によって米国の北東アジア戦略で韓日米3カ国同盟の重要性がさらに高まった」とし「この時期に韓国が韓日米FTAという戦略的カードを取り出して大きな絵を描く必要がある」と述べた。チェ・ビョンイル梨花女子大国際大学院教授は「この数年間、韓国の対外政策で中国への傾斜が目立ったが、米中間で均衡が崩れた状況を正さなければいけない」とし「TPPの代案として議論される東アジア地域包括的経済連携(RCEP)は中国の政治的意図が強いだけに、韓国があえてこれにこだわる必要はない」と指摘した。

  専門家らはTPP離脱後に本格化する日米交渉が韓日米FTAのモメンタムになると見ている。チェ教授は「中国を牽制するためにロシアとも手を組むというトランプ大統領の米国が日本を突き放すはずはない」とし「日米経済安保同盟になるこの交渉に韓国が合流するべきだ」と強調した。トランプ大統領が公言した韓米FTA再交渉と同時に進めることができるという話だ。チョン・チョル対外経済政策研究院貿易通商本部長は「(韓日米FTAの推進は)中国に韓国は決して容易な相手ではないということを見せ、位置づけを高めるテコになるだろう」と評価した。

  進展がない日本とのFTA締結にも起爆剤になる可能性がある。チョン本部長は「今まで韓日FTA締結に否定的な国民感情が障害だったが、韓日米3者の枠に導いていけばより滑らかに進むだろう」と話した。

  ◆学界で公論化作業に着手

  韓日米FTAは今後、英国のほかカナダ・メキシコなどNAFTAの国と豪州・ニュージーランドなどを合わせる自由貿易地帯に拡張される余地が大きいという見方もある。チェ教授は「欧州連合(EU)から離脱した英国が韓日米FTAに参加したり米英間交渉に韓国・日本が加わるような構図を考えてみることができる」とし「この場合、民主主義と法治、市場経済を目指す新たな先進国の連携に発展させることができる」と説明した。ホ院長は「韓日米英にカナダ、メキシコ、豪州、ニュージーランドなどを含めてTPPに代わる自由貿易協議体に育成できる」という見方を示した。

  もちろん日本と米国が直ちにこういう構想を受け入れるかどうかは未知数だ。しかし実現の可能性とは別に韓国が戦略的レベルでこうした構想を主導するべきというのが専門家らの意見だ。チェ教授は「米国保守主義シンクタンクの関係者らも共感するという反応を見せた」とし「かつて日本がTPPにこだわっていた時期には現実性が落ちたが、今では日本も関心を見せるだろう」と述べた。

  国際通商学会は近く専門家を集め、韓日米FTAに関する議論を本格的に始める計画だ。今年の学会長を務めるチェ教授は「トランプ政権発足100日に合わせてラウンドテーブルなどを企画中」とし「単なる経済・通商問題を越え、外交・安保の側面まで考慮した国家の大戦略レベルで韓日米FTAを議題に取り上げる」と話した。
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