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 メキシコのペニャニエト大統領は26日、トランプ米大統領と31日に予定されていた首脳会談を取りやめたことを明らかにした。自身のツイッターに「米ホワイトハウスに今朝、会談には行かないと伝えた」と書き込んだ。トランプ氏が北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しや国境に壁を造る大統領令を出したため、両国の関係が一気に悪化してしまった。

 トランプ氏は25日、国境に壁を建設することや不法移民対策の強化などに関する大統領令を署名。メキシコからの移民を犯罪者と批判し、建設費用もメキシコに負担させるとの主張を繰り返した。

 これに対し、メキシコ国内では多くの野党がトランプ氏に反発、首脳会談の中止を要請した。さらに26日朝にトランプ氏が「壁の建設費用をメキシコが払わなければ、会談を中止した方がいい」などと自身のツイッターに投稿したため、ペニャニエト氏は中止を決断した模様だ。

 ペニャニエト氏はツイッターで「繰り返すが、メキシコは両国の利益となるような合意に達するため、米国と協力する意思がある」とも書き込んでいる。(レオン〈メキシコ中部〉=田村剛)