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盗難仏像、韓国の寺への引き渡し命令…韓国地裁

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盗難仏像、韓国の寺への引き渡し命令…韓国地裁

2017.01.26 12:14

【大田(韓国中部)=井上宗典】長崎県対馬市の観音寺から盗まれた仏像について、所有権を主張する韓国中部・瑞山(ソサン)市の浮石(プソク)寺が、韓国政府に引き渡しを求めた訴訟の判決が26日、韓国の大田(テジョン)地裁であった。  同地裁は「仏像

【大田(韓国中部)=井上宗典】長崎県対馬市の観音寺から盗まれた仏像について、所有権を主張する韓国中部・瑞山(ソサン)市の浮石(プソク)寺が、韓国政府に引き渡しを求めた訴訟の判決が26日、韓国の大田(テジョン)地裁であった。

 同地裁は「仏像が浮石寺の所有物と十分に推定できる」とし、韓国政府に引き渡しを命じた。判決確定前でも引き渡しを強制できる仮執行も認めた。

 争われている仏像は2012年10月に盗まれ、13年1月に韓国で見つかった長崎県指定有形文化財「観世音菩薩坐像(かんぜおんぼさつざぞう)」。現在、大田の国立文化財研究所が保管している。

 日本政府は仏像の早期返還を韓国政府に求めてきたが、浮石寺に仏像が渡れば、返還が困難になるのは必至だ。

 浮石寺は「仏像は14世紀に倭寇(わこう)に略奪された」と主張。同地裁は13年2月、韓国政府に移転を禁じる仮処分を決定した。16年2月に決定から3年が経過し、韓国政府が仮処分の取り消しを申請できるようになったことから、浮石寺が16年4月に提訴していた。

 韓国政府側が控訴するかどうかは明らかになっていない。裁判では、「真の所有者に戻さなければならない」との考えを示し、法的な判断が出れば、仏像を浮石寺に引き渡す意向を示唆していた。

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