
対馬の盗難仏像を韓国の寺へ、韓国の裁判所が政府に命令
5年前、長崎県対馬の寺から盗まれた仏像は、韓国に持ち込まれていましたが、韓国の裁判所は、26日、仏像の所有権は韓国の寺にあると認定しました。その理由は、この地域に数百年前の日本の略奪行為の記録があるからだとしています。
慰安婦問題をめぐって対立する日韓両国に、新たな火種がくすぶり出しました。長崎県の指定有形文化財である「観世音菩薩坐像」。対馬市の寺が所蔵していましたが、5年前、韓国人の窃盗グループに盗まれ韓国国内に持ち込まれました。仏像は、グループを検挙した際に韓国政府が回収していて、本来はその後、日本に返還されるはずでした。
ところが・・・
「日本も過去についての反省とざんげをするきっかけになれば」(浮石寺 ウォンウ住職)
韓国中部の浮石寺が、「仏像は14世紀に日本の海賊が強奪したものだ」として所有権を主張。仏像を保管する韓国政府に対し、日本ではなく自分たちに引き渡すよう求め提訴しました。そして26日、韓国の大田(テジョン)地裁で出された判決。「総合的に検討すると、浮石(プソク)寺の所有物と推定できる」(韓国 大田地裁)
裁判所は、「正常ではない過程を経て日本に渡った」と認定。所有権は浮石寺にあるとして、韓国政府に仏像の引き渡しを命じました。
思わぬ判決に仏像を盗まれた対馬市の寺は困惑。
「ただの窃盗を正当化するようなことが認められたというか、隣国でありながら異次元の世界が隣にあるということは、実に何とも言えない気持ち」(観音寺元住職 田中節孝さん)
「怒りというか、仏様がかわいそう。帰ってきたいはずです、対馬に」(対馬市民)
日本政府は・・・
「そうした判決が出たことは 極めて残念だと思いますし、速やかに仏像が日本に返還されるように韓国政府側に適切な対応を求めていきたい」(菅 義偉 官房長官)
1965年の日韓請求権協定では、韓国から流出した文化財について、請求権は完全かつ最終的に解決されたと明記されていて、この点からも日本側の反発は強まりそうです。
「略奪が事実という前提であれば、裁判所の判断が正しい」(ソウル市民)
「所有権は韓国にあるけどダメじゃない?(対馬から)盗んできたものでしょう」(ソウル市民)
判決を受けて韓国の文化財庁は、「裁判所の判断を尊重する」とコメント。仏像は、早ければ来週にもプソク寺に渡る可能性があります。(26日18:06)




































































































































