【コラム】10年国家戦略立てる国を夢見て…=韓国

【コラム】10年国家戦略立てる国を夢見て…=韓国

2017年01月25日17時31分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  早ければ4月ごろ、結果が出る現政権の運命のせいだろう。すでに学界や政界を中心に政府機構の改編案が出されている。その中で代表的なターゲットが現政権のスローガンでもある創造経済の主務部署「未来創造科学部」だ。未来部の改編に多様な組み合わせが考えられるだろうが、要旨は「従来の二大組織の科学と情報通信をどのように料理するか」だ。どうなろうが、朴槿恵(パク・クネ)政府の運命とともに少なくとも「未来」と「創造」は消える可能性が大きいだろう。

  前代未聞の名前、「未来創造科学部」は、誰が、なぜ作ったのだろうか。2012年、朴槿恵大統領選候補キャンプの国民幸福推進委員長を務めた民主党非常対策委員会の金鍾仁(キム・ジョンイン)元代表は記者に「未来部は国民幸福推進委のアイディアであり、自身が決裁して成立した名前」と明らかにしたことがある。

  名前には名付けた意図が隠れているはずだ。「未来+創造+科学」という三つの言葉をどのように解釈することができるだろうか。地名の意味を分かるためには漢字を見る必要があるように、未来部の英語名「Ministry of Science,ICT and Future Planning」を見れば、その意味がもう少しはっきりと見えてくる。未来部の主な機能が科学と情報通信技術、未来戦略にあるということだ。5年、いやその未満の戦略にも苦しんできた国家で、10年以上の未来を論じる中長期的な未来戦略を立てるという意味で「Future planning」と名前はあまりにも重要なことのように見えた。

  だが、2013年春発足した未来創造科学部には名前とは違って未来戦略は見出せなかった。その上に「室」でも「局」でもない「未来戦略企画」という「科」が作られたのは、政権発足後1年半以上が過ぎてからだった。現政権は発足するや否や、そもそも2025年に月探査を目指した宇宙計画を2020年に繰り上げる反未来的な戦略に踏み切ったこともある。大統領選が予定された今年末、第1次ロケットの試験打ち上げを行うという政治的意図が隠れていた。

  変わりつつある時代の未来戦略は霧が立ち込め、混雑した道路を各種センサーやレーダー、衛星利用測位システム(GPS)などを搭載して走る先端車両と同様だ。フィンランドでは、議会内の未来委員会が30年後の国家未来を議論し、新任首相が執権する時、この委員会に15年後の未来ビジョンを提示しなければならない。各行政部署は、この未来ビジョンに基づいた具体的な戦略を立てなければならない。国内総生産(GDP)の20%以上を占めたノキアがは破たんしても、昨年1人当たりGDP4万3000ドル(約489万円)を守り抜いた秘訣がここにあるというのが学者の分析だ。1人当たりGDP世界10位(5万3000ドル)のシンガポールも国家未来戦略の策定では首位を争う国だ。

  一時「漢江(ハンガン)の奇跡」と呼ばれていた大韓民国は、年間19兆ウォン(約1兆8500億円)の国家研究開発(R&D)資金を注ぎ込んでも成長エンジンが冷めていく国になった。朴槿恵政府の失敗によって早期登場する次の政府で果たして国家未来戦略は生き残ることができるだろうか。

  チェ・ジュノ産業部次長
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