InDesignドキュメントを新しいバージョンで開くと文字組みが変化する可能性がある

InDesignドキュメント(.indd)を作成バージョンより新しいバージョンで開くと、文字組みが変化する可能性が大いにあります。これは、InDesignがバージョンアップ時に不具合を修正したり、仕様を変えたりするのが原因です。ほとんどがリリースノートにも書かれないため、一部の人たちだけが見つけて知っているような状況です。

こうした情報をまとめたものが見当たらなかったので、ここにまとめておくことにしました(漏れがありましたら教えてくださいな)。


・CS2→CS3
矢印系の文字が欧文扱いされたので、欧文の行分割の影響を受けるようになった。
InD-Board No.7794

CS4→CS5
「欧文泣き別れ」の仕様が変更された。
InDesign CS5の「欧文泣き別れ」はハイフネーションと連動している – 実験る~む

CS4→CS5
不正な異体字属性が適用された文字が化ける。
InDesignの異体字属性伝染と文字化け(深刻なバグ) – ものかの

CS5.5→CS6
圏点を約物に設定しても表示されなくなった。
Indesign CS6における圏点の仕様について – DTP駆け込み寺

CS5.5→CS6
連数字処理の仕様が変わった(不具合?)。
InDesignではCS6から単数行コンポーザーの結果が変わる

CC 9.2→CC 9.3
合成フォントの数字がアキ量設定で欧文の文字クラスにされる不具合が修正された。
合成フォントを使用すると和欧間の文字組み設定が正常に動作しない (InDesign CC)

CC→CC 2014
「ここまでインデント」の不具合が修正された。
No.03 ここまでインデントの不具合修正 | InDesign CC 2014 | InDesignの勉強部屋

CC 2014.0→CC 2014.2
.otfの欧文フォントの日本語の文字がアキ量設定で欧文扱いされる不具合が修正された。


こうして見てみると、上記をピンポイントで拾いながら確認するのは無理ですね。これ以外にもあるでしょうし。「inddを新しいバージョンで開くと必ずどこかが変化する」と考えて慎重になるくらいがちょうど良いです。不用意に気軽にしていいことではありません。PDFで差分を比較するなどして、相当にしっかり確認しないと事故になってしまいます。

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