<第19回>面白い映画ではなくいかに高倉健のいい絵を撮るか
降旗監督の言葉にあるように、当時、高倉健が主演した本作、「昭和残侠伝」では、スクリーンに向かって声をかける観客が必ずいた。
「健さんっ、待ってました」は本シリーズの定番であり、「昭和残侠伝」では高倉健が「叩き斬ってやる」とセリフを言うと、「異議なーし」と答えるヘルメット姿の学生がいた。
時代が生んだヒーローが高倉健であり、「網走番外地」はヒーローを生み出した映画だった。