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 ES細胞(胚〈はい〉性幹細胞)やiPS細胞を使って、ラットの体内で、別の種の動物であるマウスの膵臓(すいぞう)をつくり、糖尿病のマウスに移植して治療することに、東京大などのグループが成功した。別の種の動物に作らせた臓器を移植し、治療効果が確認されたのは初めてという。将来はヒトの臓器を動物でつくらせる研究につなげたい考えだ。25日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表する。

 東大の山口智之特任准教授(幹細胞生物学)らは、膵臓がつくれないように遺伝子を改変したラットの受精卵を、分割が進んだ「胚盤胞(はいばんほう)」という状態まで成長させ、マウスのES細胞を注入した。この胚をラットの子宮に着床させると、膵臓を持ったラットが生まれた。膵臓の中の血管はマウスとラットの細胞が混じっていたが、膵臓の細胞はマウスの細胞でできていた。生まれたラットのおなかに糖を注射すると、いったん上がった血糖値が正常に下がることが確認できた。iPS細胞でも同じように膵臓ができた。

 さらにグループはできたマウスの膵臓の組織を、薬で糖尿病にした別のマウスの腎臓部分に移植した。再び組織を取り出すまでの約370日間、血糖値が正常に保たれ、取り出した後は血糖値が高い状態に戻った。移植から5日間は炎症を抑えるために免疫抑制剤を使ったが、その後は使わずに済んだ。

 グループは2010年、同様の…

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