「恵方巻」の販売ノルマ アルバイトがネット上で悲鳴

「恵方巻」の販売ノルマ アルバイトがネット上で悲鳴
節分に食べる「恵方巻」の販売がコンビニエンスストアなどで始まっていますが、最近、ツイッターでは、店から販売ノルマを課せられて悩んでいると訴えるアルバイトの学生などの書き込みが相次いでいます。いわゆる「ブラックバイト」の全国相談窓口には売れなかった数万円分を給料から天引きされたといった相談が毎年寄せられるということで、専門家は弱い立場のアルバイトにノルマを無理強いしないよう呼びかけています。
「恵方巻」は、節分に食べると縁起がいいとされる巻きずしで、関西を中心とした風習でしたが今では全国的に広がり、コンビニエンスストアでも予約を受け付けるなど、販売競争が展開されています。

しかし、その一方で、ツイッターには「店から『恵方巻』の販売ノルマを課せられ悩んでいる」というコンビニで働いている学生などの書き込みが年明けから相次いでいます。

中には「数十本のノルマを命じられた」という書き込みもあります。

また、悪質な、いわゆる「ブラックバイト」の相談を受け付けている労働組合の窓口には「恵方巻」だけでなく、クリスマスケーキやおせちなどの販売ノルマに関する相談が毎年寄せられるということです。

相談の中にはノルマが達成できなかった数万円分を給料から天引きされたり、やむをえず、みずから買い取ったりしたケースもあるということです。

若者の労働問題に詳しい法政大学の上西充子教授は「ノルマ分を給料から差し引くのは労働基準法に違反する。自主的に買い取る場合も、店の圧力で仕方なく経済的な負担を受け入れていると見られる。弱い立場のアルバイトがノルマを強制させられないようコンビニの本部も対策を進めてほしい」と話しています。

「コンビニ本部も認識を」

コンビニ大手の各社はいずれも「各店舗は本部とフランチャイズ契約を結んでいるものの自主的に営業しているため、本部が店舗にノルマを課したりアルバイトに買い取りを強制することはない。また、アルバイトに無理な負担を強いないよう店舗に対して指導している」とコメントしています。

一方、学生アルバイトの労働問題に取り組んでいる「ブラックバイトユニオン」の青木耕太郎執行委員は、「コンビニ大手の本部の店舗に対するアドバイスにしたがって、仕入れを多くしたり高い販売目標を設けたりしている店舗がある。それが、結果としてアルバイトに対するノルマの強制につながっていることを本部も認識してほしい」と話しています。