会社勤めをしていれば、必ずと言って良いほど付いて回るのが人事異動です。
そして、事業所がいくつもある会社だと、人事異動によって転居を伴う転勤となることもあります。
都会から都会へ、あるいは、地方から地方へ。
また、東京や大阪などの大都会から、地方の田舎町に転勤なんてこともあるでしょう。
私自身、あまり転勤が多いほうではありませんが、それでも人事異動によって、5回、見知らぬ土地への引越しを経験しました。
そのときはそのときで、いろいろと「思うこと」がありましたね。
さて、このように、人事異動によって、まったく縁もゆかりもない地方の町へ、転居を伴う人事異動を命じられたとき、一体、何をやるべきかをまとめてみました。
転勤先で行うべきこと
大都会の高層ビルのオフィスで、パリッとしたスーツを着て仕事をする。
喧騒に揉まれながらも、充実して仕事をこなしていた毎日。
ある日、突然、人事異動を言い渡される。
転勤先は、見たことも聞いたこともない地方の小さな町。
そこは、田んぼと畑に囲まれた平屋建てのしょぼい事務所で、2~3名のロートル社員が働く場所だった・・・。
もし、このような人事異動を命じられたら、まず間違いなく「飛ばされた!」と思いますよね。
「なんで、この俺が飛ばされるんだ?」と、強く反感を持つでしょう。
そして、「こんな会社、辞めてやる」という思いになるでしょうね。
くさらない
この人事異動の例は、かなり極端な話です。が、全くないことはなく、似たような人事異動を私自身、経験しましたし、私のまわりで何度も見聞きしています。
会社によっては、とんでもない人事異動をやるところもありますから、結構、現実的な話で、いつ、自分の身に降りかかってくるか知れないことなのです。
不本意な地方転勤を受け入れるくらいなら、本当に「会社を辞める」「別の会社に転職する」というのも有りでしょう。
でも、一時的な感情で熱くなって決めてしまうと、あとあと後悔する可能性は高いと思います。
なので、決しておすすめはできません・・・。
さて、このような大都会から田舎町への地方転勤ですが、必ずしも飛ばされたことにはならないのです。
こちらの記事に詳しく書いていますが、
地方転勤は、会社の人事異動案の中で、たまたま、その人にお鉢が回ってしまっただけの場合があります。
若手社員であれば、あえて地方転勤させることで経験を積ませたり、メンタリティの強さを測ったりするケースもあるのですね。
なので、「飛ばされた!」と一時的な感情におぼれたり、「やってられるか」とくさってしまわないことが大切なのです。
もし、これで会社を辞めてしまえば、それで終わりです。
また、くさってしまって仕事をやらなくなると、とても大きなチャンスを掴んでいるのに、それをみすみす手放してしまうことになります。
すると、本当にダメ社員に落ちぶれ、結果として「飛ばされた」」ことが事実になります。
こうなったら・・・、本当に不幸な話ですよね。
不本意な地方転勤を命じられてしまったら、どうしようもなく落ち込んでしまう、その気持ちは痛いほど分かります。
ですが、決してくさらないようにしてください。
やるべきことを見出す
人事異動の内示が出たら、必ずやっていただきたいことを下記の記事にまとめています。
この中に記していますが、特に「飛ばされた」と思えるような地方転勤を命じられた場合は、必ず「異動の理由」を上司に確認していただきたいのです。
すると、あなた自身に対する評価とともに、これからのあなたに対して会社が期待していることが何か告げられるでしょう。
これらを踏まえて、転勤先であなたがやるべきことを見出すのです。
人によって具体的な課題が示されるかもしれませんし、漠然と「今後の成長に期待してるよ」としか言ってもらえないかもしれません。
それでも、新しい職場で何をやるべきかを見出すヒントに、間違いなくなるはずです。
こうやって、自分がやるべきことを見出し、その実現を目標とすること、つまり、前向きの気持ちで新天地にいくことが大事なのです。
転勤先の仕事に慣れる
職場の上司・先輩・同僚との人間関係をうまく作る
人事異動となったら、行き先に関わらず、新しい職場で良い人間関係をつくることが、会社生活の鉄則です。
職場でのルールは何か、どのような仕事のやり方をしているのか、今の課題は何か、これまでのさまざまな経緯は何か、お客様やお得意様、お取引先で気をつけなければいけないことは何か・・・。
教えてもらわなければならないことは、たくさんあります。
そして、手助けしてもらうことも、たくさんあるでしょう。
まして、地方転勤となった先が、全く見も知らぬ土地だったら、そこで頼りになるのは、同じ会社に勤める人たちですよね。
他に知り合いが一人もいないわけですから。
このように、仕事の上でも、生活の上でも、さまざまな面倒を職場の人たちに見てもらうことになります。
ところが、もし「飛ばされた!」という思いを引きずって、転勤先で斜に構えた態度を取っていたら、あるいは、「自分は都会でがんばってきた」と自慢げに話をしたり、「田舎の仕事のやり方は生ぬるい」など小馬鹿にするような態度を取っていたら、職場の人たちは、あなたのことをどう思うでしょうか?
「なんだ、こいつ、都会風を吹かせやがって、生意気だな!」と、反感を持つでしょうね。
こうなると、足を引っ張られることはあっても、手助けなどしてもらえません。
見知らぬ土地で、会社の同僚たちからも見放されると、本当に孤独な日々を過ごすことになるのではないでしょうか?
是非、新しい職場の上司・先輩・同僚たちと良い人間関係を作るようにしましょう。
地方での仕事のやり方に慣れる
仕事の全体的な流れややるべきことは、会社として統一されていても、細かい部分でローカルルールというものが存在します。
これは、いわゆる「土地柄」に根ざしたもの、つまり、会社以外の取引先などとの関係をスムーズにするために、外部の仕事の進め方に合わせているケースや、同じく、その土地に住む人たちの性格によるところもあるでしょう。
(大阪はせっかち、沖縄はのんびり、といった話です(笑))
このローカルルールは、見ようによっては非効率だったり、理不尽な内容もあるでしょう。でも、それを全否定したり、自分のやり方を勝手に推し進めるのは、決してよくありません。
組織としての統一感を損ねるだけでなく、対外的に迷惑をかけることになるからです。
なので、基本はローカルルールを守り、その地方での仕事のやり方に慣れることが大切となります。
思うところはあっても、一旦、それを飲み込んで、その職場にあわせたやり方をマスターすることです。
もちろん、「ここはこう直したほうが良い」と考えることは大事です。
でも、それも、まず地元のやり方ができるようになった上で提言すべきです。
でないと、これまたいらぬ反感を買うことになりますので。
地元の名所に足を運ぶ
都会から地方転勤となった人の中には、「都会が恋しい、田舎はいやだ」と地元に溶け込もうとせず、週末になると以前過ごしていた都会地に出かけていき、そこで友人と過ごす、なんて人がいます。
これはこれで、ひとつの休日の過ごし方ですが・・・、もったいないですよね。
せっかく、今、見知らぬ土地で暮らしているわけです。
しかも、会社員で人事異動があったからこそ、この土地に「縁」ができたのです。
転勤族ならではの醍醐味、このチャンスを楽しまないのは、損ですよ。
まず、おすすめしたいのは、その地方の名所・旧跡など観光地めぐりをすること。
温泉があれば、温泉地めぐりもいいですよね。
実際、行ってみて「ものすごく良かった」となれば儲けものですし、逆に「全然、たいしたことなかった」と、ガッカリするかもしれません。
でも、自ら足を運び、その目で見たことが大事です。自分で体感することで、自分の言葉で語ることができるからです。
これほど話のネタとして大きいものはありませんからね。
そして、良い・ガッカリに関わらず、都会地に住む友人に来てもらって案内してあげると良いでしょう。きっと喜ばれるはずです。
同じように、有名グルメやB級グルメ、地酒を楽しむのもいいですよ。
地元新聞紙を購読する
地方転勤になったら、地元の新聞紙(地方紙)を読むことをおすすめします。
全国紙や日経新聞しか読んだことがないという人もいらっしゃるでしょうけど、ほとんどの都道府県で、地方紙というのが発行されているのです。
(北海道・愛知県・福岡県はブロック紙と呼ばれることも。また、東京新聞は微妙な位置づけとなり、大阪府では地方紙と呼ぶべきものはありません)
地元の新聞紙は、一面トップが県知事の発言といった風に、ローカル記事が満載されています。
毎日、地方紙を読んでいると、当たり前ですが、その地方のどこでどんなことが起きているか把握できるので、仕事の上でヒントを得たり、話のネタができたりと、とても役に立つのです。
いつの間にか、その地方の地理に詳しくなれるというオマケつきです。
是非、日経新聞とともに、地方新聞紙に毎日目を通すことをおすすめします。
そして、ご当地本を読まれるのも良いですよ。
基本は「県単位」となる観光案内がメインのものもあれば、グルメ中心のもの、地元の歴史や地元出身者について書かれたものなど、たくさんあるでしょうから、ひとあたり目を通されるとよいでしょう。
これも、気がつくと「地元の通」になれますよ。
まとめ
人事異動で都会から田舎へと地方転勤になったら必ずやるべきこととして、
- くさらない
- やるべきことを見出す
- 職場の上司・先輩・同僚との人間関係をうまく作る
- 地方での仕事のやり方に慣れる
- 地元の名所に足を運ぶ
- 地元新聞紙を購読する
の6つのことをあげました。
大切なのは、一時的な感情で投げやりな言動をとらないことと、新たな職場やその土地に慣れることと言えるでしょう。
この2点ができれば、とても有意義な会社員生活を過ごすことができます。
そして、何年かすると、また、人事異動で別の土地に引っ越すことになるでしょう。
その時は名残惜しく「異動したくない」と思うかもしれませんね。
こう思えるくらい馴染むことが出来たら、本当に幸せな転勤だったといえるでしょう。
本記事をお読みいただいたあなたが、もし、不本意な転勤をせざるを得なくなっても、それを幸せな転勤に変えられることを願っています。
よろしければ、こちらもどうぞ
では、また。