時事通信「スポーツ総合」によると、韓国よりかねてから抗議のあった、札幌冬季アジア大会の選手団公式宿・アパホテルの客室に「極右傾向の書籍」がある問題に関して、大会組織委員会と日本オリンピック委員会が【同書を撤去する】との返答を行ったとのことです。
アパホテルにあった問題の書籍とは?
アパホテルのほか、アパマンションやアパ総研を統括する「アパグループ」のプレスリリースによると、客室内に設置しているのは『本当の日本の歴史 理論近現代史(著者:元谷 外志雄)』など、とされています。
同書は、アパグループの代表者である元谷 外志雄氏が執筆したもので、2008年に産経新聞出版より出版。現在Amazonでは在庫がなく、古書として 5000円の値段がついています。
元谷氏は、2012年にも『誇れる祖国「日本」 真の近現代史を読み解き、民族の誇りを取り戻せ』を上梓されており、日本で戦後語られてきた歴史の嘘(自虐的な歴史観)をテーマに大東亜戦争の開戦から、終戦までを俯瞰しています。
自分の書いた本を社員に読ませる。というのは、いわゆる「成り上がり系」の会社に良くある話ですし、経営するお店(ホテル)に自著を置くのは、それなりのリスクを背負って(反対意見をもつ客が宿泊しなくなる可能性もある)やっていることなので、思想を別にしても立ち位置を明確にした、確固たる経営といえるでしょう。
反対意見に対抗できない、日本的な「委員会」
今回は、同大会の委員会および、JOCが書籍の撤去を決定したとのことですが、アパグループ側の回答は明確でブレていません。
本書籍を客室から撤去することは考えておりません
このあたりが、トップダウンで物事を進める団体(企業)と、代表者はお飾りで「なんとなく空気を読んで物事を決める」という日本にありがちな組織運営との差がでたと言えるでしょう。
言うまでもないことですが、リベラル/保守どちらの立場で歴史を見ても、先の大戦に突入して負けてしまった原因は、この「空気に逆らえない」という流れが強く影響したことは間違いありません。
保守の方々は、今回の問題について意見が一致しているようですが、リベラルの人はどんな意見があるのでしょうか?
――という、反論もあるようです。
たとえばビデオニュース・ドットコムの神保哲生氏などは、この問題をどう扱うのか見てみたいです。
また、佐藤優氏は韓国との問題について、「今後考えられる関係悪化のシナリオ」を文化放送ラジオ『くにまるジャパン』で解説しておられました。もしも、日本国内に慰安婦像が設置されたら本当に日韓の関係が最悪になるとシミュレートしています。