RPGって何?

「RPG」とは「Role Playing Game」の略称で、直訳すれば「役割演技をするゲーム」さらに平たく言えば、ごっこ遊びをするゲームと言えます。「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」のような「コンピューターRPG」と呼び分けるため十数年ばかり前から「TRPG」(テーブルトークRPG)とも呼ばれています。

実際には事件やその世界の住人を準備し、操作する「GM」(ゲームマスター)とゲーム内世界の1人の「PC」(プレイヤーキャラクター、登場人物)を演じるプレイヤー数人で遊びます。
GMは現在のPCの置かれている状況をプレイヤーに説明し、プレイヤーはそれに応じて自分のPCの行動を決定、GMはさらにそれに対しての状況の変化やGMの操る「NPC」(ノンプレイヤーキャラクター、PCを主人公とするなら脇役)の反応をPCに伝える、といった繰り返しでゲームは進行します。
こう書くとなんだか味気ない手順の繰り返しのようですが、実際には「即興劇」に近いものです(人に見せる為の物ではないので演技力はいりません)GMとプレイヤーは協力しあい言葉をやりとりしながら1つの物語を作り上げていくわけです。ゲームに参加している者同士の「競争」という要素のない希有なゲームといえます。

では何故に「ゲーム」と呼ばれるかというと、これはRPGの歴史に関係があります。
ヨーロッパには長らく「ミニチュアゲーム」と呼ばれるものの歴史がありました。ミニチュアの兵隊フィギュア(いわゆる鉛の兵隊ですね)や今世紀に入ってからは戦車などの駒を、地図を描いたボード上で手順ごとに移動させ陣取りをする、といった模擬戦闘ゲームです。語弊があることを承知で極端な言い方をすれば、よりルールを複雑にしたチェスの様なものです。チェス同様、駒にはそれぞれに独特の移動方法や能力があります。

1970年代に入ってこのゲームをもとに、画期的なゲームが生まれます。
おそらくは、ゲームの過程で自然に生まれたスタイルだったのでしょう。それぞれの駒にゲーム上の能力だけでなく「性格」を与えて遊ぶという遊び方がされるようになりました。
駒の1つ1つに性格を与えることにより、感情移入が促進され、そこには戦場での1人の人間のドラマ、ストーリーが生まれる事となりました(「おおっ、ネイル!お前がそこでやられちまったら俺はどうすりゃいいんだ。ここを俺1人で守り切れって言うのか?畜生野郎!ネイルの敵だ!」てな感じかな?)
さらにそこからゲーム盤や駒を取り除き、1人のキャラクターを演じ、ストーリーを創ることのみを取り出したゲームが考案されます。
「RPG」の誕生でした。

しかし、ゲームに参加する登場人物誰もかれもが、何でも思い通りの行為が可能であったなら物語も何もあったものではありません。
そこでRPGには世界を把握し、その世界内での行為の成否を決定する「GM」と、「何かを行った際どの程度の成功を見込めるか?」といったガイドラインを示した「ルール」が必要なわけです。
多くのRPGでは、PCはその肉体的な、精神的な能力を数値で表します。ちょっと嫌な例えになりますが、学校の成績表のようなものです。
プレイヤーがPCに何らかの行為をさせようとするときにはその能力数値をもとにさいころ振り、行為の成否を判定します(彼の演説は民衆に感銘を与えたか?目の前にいるオークを横凪に切り払ったがそれは命中したのか?転げ落ちてくる岩石をうまく避けられたか?)

では、実際のゲームの様子をちょっぴり再現してみましょう。
このゲームではPCが1〜10までの能力値を持ちます。各能力に関係する行為の判定は6面さいころ2つの目の合計で能力値以下が出れば成功です。
筋力9、敏捷力10、知力4、魅力7という能力値を持っているキャラクターが出来ました。彼は力強く、運動神経に優れているが、勉強は苦手で、人付き合いは平均的、ということになります。プレイヤーは彼に「ジョエル」という名前を与えました。自分の身体的な能力に絶大な自信も持った高慢ちきな奴ですが、友人「ケネス」にいつもいいように丸め込まれてしまう損な役回り。以外と情にもろい所もある、というのが彼の性格です。

ゲームの中でジョエルと相棒ケネスは「ドワーフの失われた財宝」を探しに「ミルク谷」と呼ばれる霧深い峡谷を旅しています。しかし、旅の途中で突然、落石が…

GM「じゃ、敏捷力で判定してください」
ジョエル「6!かわした」
ケネス「俺の敏捷力は4しかないのに…10失敗」
GM「ではケネスは崩れ落ちる岩石のひとつを避けきれずもろに足にくらってしまった。落石は収まったけど…ケネスは痛みで立ち上がれない」
ジョエル「あれあれ、だから日頃から身体を鍛えとけ、って言っておいたのに…」
ケネス「ほっとけ、俺は頭脳労働派なの!」
GM「それはキャラクターの発言?」
ジョエル「いや、プレイヤーの(笑)『大丈夫か?』と心配そうに駆け寄る」
ケネス「どうなんでしょう?」
GM「じょじょに痛みはひいてきた。歩けないほどじゃない」
ケネス「『だめだ 、もう俺は歩けない。畜生、とうとう神様にも見離されちまったようだぜ…ジョエル…俺を置いて1人で行ってくれ』」
GM「また猿芝居(笑)魅力で判定しよう」
ケネス「7。成功」
GM「じゃジョエルは嘘が見抜けたかどうか知力で」
ジョエル「無理でしょ、例によって。ほら12が出てる(笑)『馬鹿なこと言うな!たとえ神が見捨てたとしても、俺がお前を見捨てるはず無いだろう』ケネスを背負います」
ケネス「『すまねえな、相棒』おお楽ちんだ」
GM「じゃそのまま進んでいく?」
ジョエル「最後に泊まった宿までは2日かかるよね?とりあえず今日泊まる予定だった狩り小屋まで進もう」
ケネス「計画通りだ(笑)」
GM「じゃあ2時間ばかりそのまま進む。ジョエル、力自慢の君でも流石に大の男とその荷物を抱えての旅はこたえる。筋力で判定を」
ジョエル「9。ぎりぎり成功」
GM「ジョエルは疲労困憊している。脂汗たらしながらの行軍ってとこかな。何とかもってるけど」
ジョエル「むむむ、『大丈夫か、もうすぐ仮小屋だぞ!』とケネスを励ます」
ケネス「『… ああ…』元気なく答える」
GM「なんだか立場が逆だなぁ (笑)」
ケネス「いつものことです(笑)」
GM「夕方にさしかかる。この谷は日が暮れるのが早い。目指す狩り小屋がそろそろ見えてくるが…明かりがついてるね」
ジョエル「先客がいるのかな?見離されてうち捨てられた小屋って話だったが?」
ケネス「うん。距離はどのぐらい?」
GM「あと1キロぐらいかな」
ジョエル「じゃとりあえず進もう。誰かいるならケネスの怪我を治療して貰えるかも知れない(笑)」
ケネス「診察されると困るな(笑)小屋から200メートルぐらいになったら『ジョエル、おろしてくれ、だいぶ楽になってきた』と声をかける」
ジョエル「『小屋までもうすぐだ。そこで休もう』」
ケネス「『いや、小屋にいるのが何者かわからん。山賊、野盗のたぐいかもしれん』」
ジョエル「『そうか、わかった』降ろします。あー楽になった」
ケネス「いざ戦闘とかになったらジョエルに元気でいてもらわないと困るからな」
GM「しばらく休む?」
ケネス「ジョエルの息が整うまで休みましょう。それから出発。一応足を引きずりながら(笑)」
GM「小屋に近づいていくと小屋の外には2頭のポニーがつながれている。君たちが近づくと落ちつかなげな様子をする。小屋の中からはおいしそうなシチューの香りが漂ってくる」
ジョエル「『どうしたもんかな』」
ケネス「うーん、中をのぞける窓とか無いですか?」
GM「窓はあるけどしまってる。隙間から明かりが漏れ出ているからのぞくことは出来るかも」
ケネス「『中の様子がわかるといいんだけどな』足をさすりながらジョエルを見る」
ジョエル「また俺にやらせる(笑)『よし、ケネスはここで待ってろ』一応警戒して近づく」
ケネス「弓を準備しておこう」
GM「(ヒント出してるのに不用心だな、よし) 近づいていくと中から数人の話し声が聞こえてくる。かちゃかちゃ食器の鳴る音も聞こえてくるところをみると食事中のようだ。君が窓に近づいていくと突然ポニーが大きな声でいななくよ」
ジョエル「げっ!まずい」
GM「ぴたりと話し声がやむ」
ジョエル「どうしよう?剣を抜いとくべきだろうか?でも友好的な相手だったらこっちが野盗と勘違いされるかも…」
ケネス「扉に向けて弓を撃てる準備だけしとく」
GM「OK。ジョエルが迷っているとドアがばたん、と開いて石弓を構えたドワーフが出てくる。強面で君を睨んでる『何物だ!』」
ジョエル「えーと、どうしよう?」
ケネス「オークの方が対処の仕方を判断しやすかったがなぁ。 こいつらも『財宝』狙ってるんじゃ?」
ジョエル「どうするんだ!?」
ケネス「どうしよう?」

おわかりのようにGMの役割は重要です。
GMの設定、判定のさじ加減ひとつでPC達は簡単に死んでしまいます。
また同じプレイヤー、同じキャラクターでゲームを続ける場合には、常に新しいシナリオ(設定や事件)を準備せねばなりません。 プレイヤーに適度な緊張と興奮を与え「楽しませる」事を「楽しめる」素質が必要となります。大変な役どころではありますが、だからこそ楽しいゲームがプレイ出来た時の喜びもまたGMが一番大きいかも知れません。

さて、RPGに関して少しはお分かり頂けたでしょうか?
わからない、って方、申し訳ありません。私のつたない文章ゆえでしょう。よろしければ、他のサイトさんでも同じようにRPGに関して紹介をしているところがありますので、参照してみてください。
だいたいわかったけど面白くなさそうだ、と思われた方。すみません、私の言葉が足りなかったかもしれません。またもちろん、個人の嗜好というものがあります。私はRPGというホビーを押し売りするつもりはありません。
わかった面白そうだ!と感じられた方。ようこそ、RPGへ。
このすばらしいホビーをご理解いただけて良かったです。いつか一緒にプレイ出来ますことを!

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