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セブン-イレブン「実験店」が密かに全国拡大している理由

森山真二
2017年1月26日
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神奈川県川崎市のセブン-イレブン「川崎登戸駅前店」 Photo by Takeshi Yamamoto

セブン-イレブン・ジャパンは商品やサービスの「実験店」を密かに拡大している。実は現在ヒットしている入れたてコーヒーもドーナツも、密かに一部店舗で実験を繰り返し、全国デビューを果たした商品だ。実験店はこれまで首都圏の都心店や郊外店など極めて一部の店舗に限っていたが、全国の20店に拡大した。なぜ、セブン-イレブンは実験店を広げるのか。そこには周到なマーケティング戦略が隠されていた。(流通ジャーナリスト 森山真二)

「地域」の差にこだわる
セブン-イレブン

セブン-イレブンのホットカフェラテ専用マシン 

 神奈川県川崎市の「川崎登戸駅前店」のレジ横には、いつもの入れたてコーヒーと少し違った機械が置かれている。そこには「ホットカフェラテ専用マシン先行導入」というPOP(店内広告物)がつけられている。そう、これが実は2月から全国に拡大するホットカフェラテの実験だったのだ。

 同店ではすでに相当前からこのカフェラテの実験機が置かれており、近くに住んで気がついた人は、カフェラテを先行して味わえた格好だ。こうした入れたてコーヒーやドーナツは、それほど全国的に嗜好差がないとみられるが、これが弁当や総菜となると、そうはいかない。地域の嗜好差は歴然としてくる。

 コンビニではすでにおでんなどは出汁を変えたり、具材を変えたりして“地域の味”に仕立てて販売している。しかし、これまで弁当や総菜については、まだ全国一律の味付けなどといったところが少なくない。

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