設定を回路図エディタ上で設定し、ツール・バーにある人の走っている姿のRUNボタンをクリックするとシミュレーションを開始し、シミュレーション結果を表示するウィンドウが開きます。マウスで回路図上の測定ポイントをクリックすると、結果が表示されます。
回路エディタの起動
デスクトップのSwCDIIIのアイコンをダブルクリックしてLTSPICEを起動します。起動直後の初期画面でツール・バーのNew Schematicをクリックするか、メニュー・バーのFile>New Schematicを選択すると、新しい回路図を作成するための回路エディタのウィンドウになります。
回路図エディタの基本操作
回路図作成のための必要となる基本的な機能は、ツール・バーに設定されています。
マウス・ポインタをツール・バーのアイコンに乗せると、個々のアイコンの機能が表示されます。もう一つ、メニューの項目を選択すると、プルダウン・リストに、次に示すようにアイコン、機能およびショートカット・キーが表示されます。これによって、アイコンの機能の概要が確認できます。
メニュー・バーの編集(Edit)を選択したときに利用できる機能について概要を説明します。
()内にショートカット・キーも示します。‘’で囲まれ文字はその文字のキーを示します。F2からF9はファンクション・キーを示し、Ctrl+R、Ctrl+EはCtrlキーを押しながらR、Eのキーを押すことを示します。
コマンド実行などの制御
Undo (F9)
直前に実行した処理を取り消します。
Redo (Shift+F9)
直前に取り消した処理を再実行します。
Text (’T’)
回路図上に文字列を書き込むことができます。残念ながら日本語は利用できません。回路図上には、システムによりラベルやシミュレータに対するコマンドなどの文字列が書き込まれますが、このText処理で書き込まれた文字列はシミュレーションに何ら影響を与えません。
SPICE Directive (’S’)
.Tranなどのように先頭にピリオドがついた、SPICEに対するシミュレーションのためのコマンド(Dot Command)を入力することができます。入門編ではSwitcherCADIIIの回路シミュレータがシミュレーション条件によって自動的に設定しています。そのため多くの場合、このコマンドを使用しなくてすみます。
SPICE Analysis
この機能はツール・バーには設定されていませんが、シミュレーション条件を設定するウィンドウが表示されます。Dot Commandについて詳しくなくても、シミュレーションの設定が行えます。
デバイスの設定
Resistor (’R’)
回路図に新しい抵抗を設定します。マウスで適正な位置にドラッグして場所を決めます。左ボタンのクリックでその場所に抵抗の回路が設定されます。抵抗の部品番号が表示され抵抗値はRのままになっています。抵抗値の設定は別に行います。続いてドラッグすると新しい場所に抵抗を設定することができます。右ボタンをクリックするとレジスタの設定が終わります。
Capacitor (‘C’)
回路図に新しいコンデンサを設定します。マウスでドラッグした場所にコンデンサの回路が設定されます。右ボタンをクリックするまで続けてドラッグして複数のコンデンサを設定することができます。Cと番号の部品番号が各コンデンサに自動的に表示されています。コンデンサの容量値はCが表示され別に設定する必要があります。
Inductor (‘L’)
回路図に新しいコイルを設定します。マウスでドラッグした場所にコイルの回路が設定されます。右ボタンをクリックするまで続けてドラッグして複数のコイルを設定することができます。Lと番号の部品番号が各コイルごとに自動的に表示されています。コイルのインダクタンスはLが表示され別に設定する必要があります。
Diode (‘D’)
回路図に新しいダイオードを設定します。マウスでドラッグした場所にダイオードの回路が設定されます。右ボタンをクリックするまで続けてドラッグして複数のダイオードを設定することができます。Dと番号の部品番号が各ダイオードごとに自動的に表示されています。ダイオードの型番はDと表示されますので、別処理で型番等を設定します。
Component (F2)
回路図に新しいICやトランジスタなどのコンポーネントを設定します。各コンポーネントを選択できるウィンドウから選択することができます。あわせて選択されたデバイスの評価のためのテスト回路なども用意されています。
回路図の回転、反転などの処理
抵抗やコンデンサなどを配置の向きを、縦にしたり横にしたりすることが頻繁に起きます。この処理はRotate、Mirrorで行います。ショートカットを使用したほうが効率的です。
Rotate (Ctrl+R)
デバイスが選択されていてグレイ表示になっているときこの処理を選択すると、表示は90度回転します。具体的な作業方法はこの後説明します。
Mirror (Ctrl+E)
デバイスが選択されていてグレイ表示になっているときこの処理を選択すると、表示が左右の鏡像の関係で反転されます。具体的な作業方法はこの後説明します。
配線・グラウンド、ラベルの設定
Draw Wire (F3)
この処理を選択すると、マウスをドラッグしてデバイス間の配線を行えます。マウスの左ボタンを押して配線の始点を決め、ポインタを移動し左ボタンを押すとそこまでの配線が確定し、次の配線の始点となります。ほかのデバイス、配線などと接続されると配線が終わり、次の始点が設定できるようになります。
マウスの右ボタンを押すと配線の始点がキャンセルされ、新しく配線の始点が設定できます。始点が設定されないで右ボタンが押されたとき、この配線処理が終わります。
Label Net (F4)
配線の各ポイントにラベルを付けて、接続先などとして指定することができます。そのためのラベルの設定が行えます。
Place GND (’G’)
シミュレーションを行うとき回路図には基準となる0Vを示すGNDの位置が必要です。この処理を選択すると、GNDのマークをマウスでドラッグして回路図にGNDを配置します。
回路図の編集ツール
Delete (F5)
この処理を選択すると、マウスポインタが鋏のマークになり、回路図のデバイス、配線などの場所にもって行き、左ボタンを押すと削除できます。マウスの右ボタンを押すと処理を終了します。
Duplicate (F6)
回路図上のデバイスなどをドラッグして複写します。この機能を選択してから、マウスで複写するデバイス、配線その他の対象をクリックして選択し、複写先にドラッグして複写します。複数の対象をドラッグして選択すると、複数の対象をドラッグして複写できます。
この処理中、右ボタンをクリックするとこの処理を中断します。この機能を使用し、ほかの回路図のウィンドウに複写することもできます。回路図の具体的な作成の中で説明します。
Move (F7)
回路図上のデバイスなどをドラッグして移動します。この機能を選択して、マウスで移動するデバイス、配線その他の対象をクリックして選択し、ドラッグして移動します。複数の対象をドラッグして選択すると、複数の対象をドラッグして移動できます。
Paste
このPasteはDuplicateでデバイなどを選択して、新しい回路図ウィンドウを開くと利用できるようになります。ほか のウィンドウの回路図を新しい回路図の張り込むことができます。
Drag (F8)
回路図上の、デバイスをMoveと同様にマウスでドラッグして移動します。Moveの場合は、選択した対象のみが移動し配線などは元のままになっている。しかし、このDragは配線の接続状態が維持され、配線は伸び縮みなどの変形を行い配線状態は維持されます。
この他に、Drawがあり回路図にコメントなどを記入する機能があります。ただし日本語の入力ができないので当面利用していません。
<神崎康宏>