「残業月80時間」上限になったらIT業界は崩壊する?

「残業月80時間上限」もしくは「月平均45時間」の規制が、2019年度から導入されるのではないかとニュースになっていますね。

ブラックな業界にとっては嬉しい話ですね!!

とでも言うと思いましたか?

上限規制が意味ない話

ブラック企業の事件が今さらになって表沙汰にされる昨今ですね。

特に電通の自殺者が出た事件ですが、「テレビなんか電通に支配されてんだろ」とテレビも視ないくせに思いこんでいた僕にとっては特に衝撃でした。
逆に言えば人が死ぬまで何も言及されないのかという話なのですが。

あの事件でも時間外労働は月100時間を越えていたそうですね。

ちなみに僕もSI業界にいた頃の残業時間は100時間を越えていました。

散々ひどい目にあって結局自己都合退社でしたが、月の残業時間が100時間を越えると会社都合で辞めたことになるみたいですね。
失業保険を貰うとき、ちゃんと会社都合の方が適用されているので、結構重要な話になります。
(失業保険を貰うまでの期間や貰える期間が変わります)

で、本題。

残業が多いところで働いている人なら気づくと思いますが…。

どうせ80時間越えた分はサービス残業になるんでしょ。

出典

「月平均45時間」が適用されれば、もはや毎月45時間ぴったり残業してることにされる人が続出の予感。

ブラック企業根絶には何の意味もないのではないかと思ってしまいますね。
もっと具体的な情報が欲しいところです!

ところで、残業が多いといえばIT企業を想像する僕ですが、こんな規制導入されたらIT業界崩壊するんじゃない?と思ったのでお話します。

IT業界崩壊だよね!

出典

現在のIT業界はとんでもない人材不足だと言われています。

当然ですね。
奴隷かというほどのめちゃくちゃな残業をさせられているところがほとんど。

おまけに僕がいたSI業界は、新人を使い捨てにしている印象でした。

まあ、やり方さえ教えれば誰にだってできる仕事でしたから。

会社からしてみれば、どうせ辞められるなら安い人材を取り換えて使っていくほうがお得です。
若いうちに辞めてくれれば退職金も出さずに済みますからね。

こんなのがあったりするので、あまりにも人材不足で職場は多国籍になります。

中国人が一番多くて、次いで韓国人。インド人やモンゴル人も見ますね。
中にはなかなか仕事をやってくれない人がいたり、やってくれたはいいものの納品レベルにならないような人もいて、文化の違いから難しさを感じることもあります。
仕事ができる人も中にはいますし、一部ですけどね。

なのでトラブルが少なくないはずなんですが、それでも採用しなければいけないくらい人が足りてないわけです。

そこに「残業時間80時間上限」「月平均45時間」とか導入されてみてくださいよ。

仕事が終わらなくなる……って?

超えた分はサービス残業になるでしょう。

だから崩壊理由は、「人が足りなくて仕事が終わらない」ではないんですよ。

SI業界を前提に話しますが、ただでさえ機械がやったほうが正確で早いような単純作業をやっている期間が圧倒的に長いのに、金が貰えなくなったら人材離れがより一層顕著になりませんか?

ブラックというイメージが付いてしまって、ホワイトアピールしてみたけど実際ブラックで、人が入っては出ていくが繰り返されるITという世界。

人材離れに拍車がかかったらいよいよブラック企業の被害に遭って業界を脱出した人々歓喜の瞬間です!!

出典

崩壊しちゃえばいいと思うけれど

被害者からしてみれば崩壊しちまえばいいと思う気持はすごくあります。

でも一方で、IT産業ってこれからも国内どころか世界でどんどん伸びていく分野じゃないですか。

日本がそこで遅れをとっていいのかと思ってしまうわけです。

国を上げて対策しようというのは分かりますが、

問題は「残業時間」を規制すれば済む話なのかと。

かつてRという大企業の仕事を請け負っていた企業がありました。
その企業は新人だろうがベテランだろうが、平等に仕事の成果で給料が決まったそうです。
だから1年目の新人なのに月収100万円を越えたりする者がいるのだとか。

僕に話をしてくれた方がまさにそれでした。
ただし本当に過酷な労働環境だったという話でしたが。

ちなみにその企業ですが、案件の9割以上がR社からのものだったそうで、R社が別の企業に仕事を移したことによって倒産します。

きっと、その企業は世間ではブラック企業と言われるのでしょう。

ですが、過酷な労働環境でも、自分の仕事ぶりがしっかり評価され、自分の作ったものが成果を上げればその分金として返ってくる…そんな仕事であれば、とてもやりがいがあったのではないかと推測します。

結局のところ、残業時間の規制は本質じゃないんですよ。

残業80時間するような価値のある仕事なのか?ってことなんです。

その人にとって価値のある仕事であれば、残業80時間どころか家に帰らないで仕事やったっていいわけですよ。

好きでやっているんだからストレスも少ないし、まして人が精神を病んで死んでしまうような事件に発展することはないと思うのです。

新人が終電まで頑張って仕事をしているのに、向かいに座っている上司が部下に仕事押し付けて自分は寝てたりするくせに給料は3倍も貰っているとかいう話は確実に前時代的です。

今回の「残業月80時間」の規制は、「前時代」の域を出ないくだらない対策だと思いますね。

規制も対策も結構ですが、問題を妄想で勝手に決めつけて対策しないで、もうちょっと現場の声を聞いてみてほしい。

誰だって正当な評価が欲しいものですよ。

サムネ出典

この記事が気に入ったら
いいね ! をお願いします!

Twitter で