証拠のない「不正投票」、トランプ大統領は大規模な調査を要請へ
- トランプ大統領は500万人が不正投票と確信-スパイサー報道官
- そのようなリポート出していない-不正主張の根拠とされた調査機関
トランプ米大統領は2016年大統領選挙で不正な投票が行われたとして、大規模な調査を要請する意向を明らかにした。トランプ氏は選挙人投票で勝利したものの、一般投票の得票数ではトップのヒラリー・クリントン氏に300万票近い差を付けられた。
トランプ大統領は25日にツイッターで、「2州での登録や不法滞在者、すでに死亡している有権者の登録などを含め、大がかりな調査を要請する」と投稿し、「結果次第では投票プロセスを強化する」と述べた。
大統領は2016年の選挙結果が大規模な不正投票によってゆがめられたと繰り返し主張しているが、その明確な根拠は示していない。今回の調査について具体的にどの機関が担当するのか、またすでに調査を命じたのかに言及していない。
スパイサー大統領報道官は24日の記者会見で、トランプ大統領は最大500万人が不法に投票したと確信していると述べた。
トランプ大統領の法律顧問チームは昨年12月1日付の法的文書で、「入手できるすべての証拠から、2016年総選挙は不正行為やミスにゆがめられてことはないと示された」と述べている。
スパイサー報道官は16年の大統領選挙で不正投票が広く行われたと主張する根拠として、「ピューが2008年に発表したリポートによれば、投票した者の14%は米国市民ではなかったことが分かっている」と説明した。
これに対してピュー慈善信託の広報担当者ケリー・ホフマン氏は「2008年にそのトピックに関するリポートは出していない」と電子メールで反論。「有権者登録のプロセスにおける非効率および不正確性について調査したことはあるが、それが投票所での不正行為の証拠にはならない」と続けた。
原題:Lacking Evidence, Trump Requests Investigation Into Voter Fraud(抜粋)