米国の環太平洋経済連携協定(TPP)離脱が決定的となり、参加国は様々な思惑で次の一手を探り始めた。米国抜きの貿易協定を模索する動きが出る中、新たな参加国として名前が挙がった中国や、欧州各国も今後の行方を注視している。
南米ペルーのクチンスキ大統領は24日、中国や他のTPP交渉参加国と新たな協定を目指す方針を示した。地元ラジオの取材に応じて「中国やインド、オーストラリア、ニュージーランドといったアジアの国と(自由貿易協定を)進めなくてはならない」と述べた。
クチンスキ氏は「自由貿易協定には賛成だ。ペルーに利益がある」とも語った。
オーストラリアのターンブル首相も24日、中国のTPP参加の可能性を示唆。同国のチオボー貿易・投資相は地元メディアの取材に対し「TPPの枠組みは12カ国以外の国も参加できるものだった」と指摘、中国に加えTPPに関心を示すインドネシアにも言及した。
一方、カナダのフリーランド国際貿易相は「米国抜きでのTPPはあり得ない」と語り、あくまで米国ありきの姿勢を示した。
ロイター通信によると、中国の外務省の華春瑩副報道局長はTPPへの言及は避けながら、「何が起ころうと、全ての国は開かれた、包括的な方法で継続的な発展のため協力すべきだ」と話した。
ドイツのガブリエル副首相は地元紙のインタビューに答え、「トランプ大統領がアジアや南米と貿易戦争を始めるなら、我々にとっては好機になる」との見方を示した。