Supership、アップベイダー、Socket、コネヒトの紹介
今回のエンジニア交流会のメインプログラムは、Syn.ホールディングスに属する4社のCTOが登壇したパネルディスカッション。
Supershipの取締役CTO室室長山崎大輔氏、アップベイダーの代表取締役CEO兼CTO佐野宏英氏、Socket執行役員でCTO兼アートディレクター生内洋平氏、コネヒト取締役CTO島田達朗氏がパネリストとなり、モデレータはSupership 新規サービス開発室の和田修一氏が務めた。(※アップベイダーとSocketは2017年2月1日付でSupershipと合併予定)

和田:今回のパネルディスカッションは各社のCTOの人となりを通して、カルチャーが参加者全員に伝わるとよいなと思っています。まずは自己紹介からお願いします。
山崎:元々はスケールアウトという広告配信システムの提供やDSP・DMP・トレーディング事業を展開する企業を立ち上げ、代表を務めていました。15年11月に「Syn.」構想で連携していたnanapi、ビットセラーと合併し、Supershipが誕生しました。現在はその会社で取締役CTO室室長に就いています。
CTO室では社内のインフラやセキュリティを整備する一方、デジタルエージェンシー事業や親会社であるKDDIからの開発案件を受けたり、ナショナルクライアントの広告案件の開発などを担当。合併したことで、一人で全てを担当するのは難しいので、チームでCTOというファンクションを務めています。

生内:スマートフォン向け接客プラットフォーム「Flipdesk」の開発・運用を担当しているSocketのCTOを務めています。
この世界に入るきっかけとなったのは、自分のバンドのHPを作りたくなったから。本格的に勉強したいと思い、デザイン会社に就職したら、メール配信システムの開発を担当することになり、その中で現在、当社代表の安藤と出会い、Socketを立ち上げることとなりました。
設立当初、Socketはオフィススムージー事業など、いろいろ手掛けていましたが、今ではFlipdeskを軸に事業を展開しています。私はその事業を見るととともに、CTOも務めています。

島田:毎日の疑問と悩みを解決して、家族を笑顔にするサービス「ママリ」を展開しているコネヒトでCTOを務めています。

当社は約5年前に創業し、今年6月にSyn.ホールディングスグループに加わりました。現在はCTO業務に加えて、インフラの構築や機械学習を用いてサービスの改善を行っています。
佐野:アップベイダーでCTOを務めています。特徴もないエンジニアで、没個性的すぎて、もはや技術にもあまり触っていません(笑)。SupershipでDSP事業の営業部長も兼務しています。

各社CTOが挙げる理想のCTO像とは?
和田:まずはCTOという役職の役回りについて。そして理想のCTO像について教えてください。

山崎:CTOはいろいろ役回りがあります。当社でいうと、取締役も兼ねているのでいろいろできることがある。
技術的な解決において責任を持つことはもちろん、その一方でエンジニアが効率よく仕事ができるよう環境を整備したり、困ったときの相談役を務めたり、よりよい環境を作ってあげる橋渡しをする役割も担います。また必要ならば事業たちあげもしますし、CIO的な立場も担います。
和田:理想のCTO像はどうですか?
山崎:グリーのCTOの藤本真樹さんを挙げたい。グリーの立ち上げ期にCTOに就任し、企業として大きくなった今もCTOを務めていている。藤本さんのように人数が少ないときでも人数が100倍になってもCTOを張れるような人が理想だと思ってます。
生内:CTOの役割はメンバーや技術の可能性を信じ、「できる」と判断することだと思っています。CTOができないと言うと、その会社はできないことになる。
したがってどういうことができるのか、これはできる、ここはできない、を適切に判断するのが一番大事な役割だと考えています。
和田:技術的な課題に対して、どうしても思いで乗り切らないといけない瞬間があるということですね。
生内:「できる」という言葉の使い分けも必要です。時間がないから不可能で、時間があれば可能なのであれば、「将来的にできる」というメッセージになる。まだチームが経験してなくても、できるはずのことにチャレンジする意思を内包した「できる」などを、使い分けながら発信していくことが重要だと思っています。「できる」というメッセージでけん引する役割。いろんな「できる」を使い分けるんです。
理想のCTO像は、祖父ですね。もちろんCTOではないんですけども。うちの祖父は4tトラックを農家に横付けし、リンゴを満載に買い付けて、売って儲け、家を建てたんです。そして帰り際「荷物満載だと峠が上れないよ」と言われて。結果、なんとか迂回するなどして帰ってきたんです。
祖父は常に常識にとらわれることもありませんでしたし、対峙する事業や商売にも変なこだわりがなかったんです。まさに理想の経営者ですね。
島田:メンバーが提案してきたことに対して、必要な議論はしつつ良い提案であれば、良いと伝えて、Goを出してあげることがCTOにとって重要な役割だと思っています。もちろん、その責任は私が持ちます。
和田:そのマネジメント方法で上手くいったチャレンジがあれば教えてください。
島田:ママリQで利用する一部のAPIを新しいものに切り替えようしています。これは技術的にチャレンジングな案件なのですが、技術の選定・構築をメンバーに任せて、私はほぼ承認だけでプロジェクトが上手く回っており、みんな責任感を持って取り組んでいます。
佐野:これまでの発言では出ませんでしたが、CTOはお金のことを考えることも重要な役割です。お金のことをきちんと説明できてはじめてエンジニアの環境が守れ、かつ会社の存続ができるんです。
私の理想のCTO像は本田宗一郎さんですね。CTOであり経営者でもある。本田さんのことが書かれた本を小学生の時に読んで、格好いいなと思っていました。それでバイク屋に就職したぐらいです(笑)。
理想のエンジニア像は?
和田:次は理想のエンジニア像について。各社の理想のエンジニアではあると思いますが、言語化して聞いてみたいと思います。
佐野:ハートがつながるエンジニアがいいですね。例えばこっちが楽しそうにしているとそっちも楽しそうにしてくれるというような、そんな感じのエンジニアです。
島田:コミュニケーション力があり、ある一定以上の技術力を持っていて、高め合えるエンジニアが理想です。コミュニケーション力を重要視するのは、ユーザーと一緒にプロダクトを作るからです。
コネヒトには週に1度、シャッフルランチというランダムで選ばれた従業員同士が1対1でランチをする制度があります。社内にはユーザー像に近いママや妊婦さんのスタッフも多く、そういう方たちと会話をする中でユーザーの肌感を得て、サービスの改善案を出せるかが重要になります。つまりユーザーと一緒にプロダクトを作れる人を求めています。
生内:それはエンジニアにとって高いハードルのような気がするけど…。
島田:先程述べたシャッフルランチのような制度で会社としてユーザーと接点を多く持つ機会を作り、上手くハードルを下げられるような仕組み作りに取り組んでいます。
生内:私が理想とするエンジニアは、目指すモノを持っていてその上で技術でもビジネスでもよいのですが、没頭できる人。時間がいくらあっても足りないぜという人が理想のエンジニアですね。
和田:何らかのスペシャリストがよいということでしょうか?
生内:そう。もっと言うとスペシャリストになろうとしている人を理想としている。上昇しているときのエネルギーはすごいので、ベンチャーにとっては重要だと思うんです。
和田:そういった要素はどういったところで見るんですか。
生内:ぱっと見ではわからないことが多いですね。Socketの場合は、3カ月試用期間を設けています。いい仕事ができるチームになれるかどうかを、互いに判断するための期間です。
その中で「ここではいい仕事ができないかも…」と感じることがあれば、遠慮なく「合わないですね」と言い合える関係性を最初から作っておきたくて。そういった関係性があって初めてエンジニアリングに没頭できるんだと考えています。実際に合わないとなったケースは本当に稀ですが(笑)。
あと、プライベートでゲームに没頭する人はよく見かけますが、それに負けるのは嫌で、それと同じぐらいかそれ以上エンジニアリングに没頭してほしい(笑)。
山崎:僕は理想のエンジニア像を特に持っていません。でも強いて挙げるとすれば、その仕事にプロ意識を持っていたり、モチベーション高く取り組める人ですね。僕は早く家に帰って家族と過ごしたいと思っている。
だから早く帰るためにエンジニアリングをして、きちんとアウトプットを出す。仕事とモチベーションとアウトプットがきちんとバランス取れている人がいいですね。その他にも、コミュニケーションの取れる人や、変化する状況に適応する能力のあるエンジニアも重要だと思っています。
佐野:アップベイダーとしては今、エンジニアは0人。うちのエンジニアはすべてSupershipのエンジニア組織に出向しています。何か作る際は、Supershipにいる手を動かしてくれそうな人に相談しています。
エンジニアの可能性は無限大。だから一生エンジニアでいたい
和田:最後にエンジニアという職種への思いについて教えてください。
佐野:エンジニアでいたいと自分では思ってはいます。自分の技術でモノが作れて会社も作れた。エンジニアだから楽しく過ごせているし、夢が一杯ある。可能性は無限大。だから将来の夢もエンジニアですね。
島田:自分自身でコードを書いて、世の中の人に大きなインパクトを残せるようなものを作れる職業がエンジニアだと思っています。これからもエンジニアとしてやっていきたいですね。
生内:エンジニアリングは自由。あの人に頼んだら思いに沿ったアウトプットが出てくるなんて、魔法使いと同じです。とても魅力的な職業だと思いますよ。
山崎:エンジニアはプロダクトを作ればビジネスもできるレアキャラです。ぜひ、みんなで自分たちの居場所づくりに一生懸命取り組んでいきましょう。
和田:ありがとうございました。
パネルディスカッションはこれで終了。この後、乾杯が行われ、フリートークに。実はパネルディスカッションの最中も内部のエンジニアにしか披露できない裏話ちらほらとあった。
今回の4人のCTOが明かしたエンジニアという職種の魅力や求められる人物像などについては、インターネット業界共通のもの。ネット業界への転身を考えているのであれば、ぜひ参考にしてほしい。






