【上海=小高航】中国のインターネット通販最大手、アリババ集団(浙江省)が24日発表した2016年10~12月期決算は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比66%増の207億元(約3400億円)だった。11月に実施した大規模セールが好調だったほか、海外の消費者が中国から商品を買う需要も膨らんだ。
売上高は同54%増の532億元だった。16年11月の「独身の日」セールの総取引額が1207億元と前年比で32%増加。スマートフォン(スマホ)経由の売上高が前年同期比で73%増加するなど、若年層や中間所得層を中心に旺盛な消費需要を取り込んだ。
アリババはネット通販を中核にクラウドサービスやメディア事業など収益の多角化を進める。メディア・娯楽事業は依然として営業赤字が続くものの、売上高は同4倍弱の41億元に増えた。クラウド事業の売上高は同2.2倍の18億元。純利益は同38%増の172億元だった。
売上高に占める中国のネット通販の比率は77%と依然として「中国依存」が続く。ただ、東南アジアで同業大手を買収するなど海外事業を強化した結果、海外のネット通販の比率は2%から4%に増えた。
アリババの張勇最高経営責任者(CEO)は声明で「アリババはビッグデータなどの技術を活用し新しい形の小売りビジネスを先導する」と自信を示した。アリババを創業した馬雲会長は今月、米大統領に就任したトランプ氏と会談。米国で100万人の雇用創出を提案するなど、海外での事業拡大の機会を模索している。