最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表が2005年、いわゆる「サムスンXファイル(国家安全企画部〈現在の国家情報院〉による盗聴事件)」事件を捜査する特別検事の設置を妨害したとの疑惑が表面化した。当時、大統領府民政主席だった文氏は、野党が要求した同事件の特別検事について「特別検事は見栄えは良いが実効性がない」として反対していた事実を、野党「国民の党」が突然問題視し始めた。当時、この問題を取材していたイ・サンホ氏(現在、告発ニュース社代表)が先日SNS(会員制交流サイト)を通じて関連する記事を改めて公開し、文氏の説明を求めたことで問題が拡大している。
国民の党の文炳浩(ムン・ビョンホ)最高委員は23日、党の役員会で「サムスンの前では小さくなるくせに、サムスンを批判する人間の前では何でもありの権力を振るうのが文氏と親文(文氏を支持する勢力)だ」「イ・サンホ氏の主張について文氏は明確な説明をせず、彼の支持者たちは政敵に対する個人攻撃やサイバーテロばかりやっている」などと批判した。同じ国民の党の趙培淑(チョ・ベスク)議員も「サムスンXファイルの特別検事に対する文氏の考えを聞きたい」「韓国最高の財閥との癒着が疑われる人物が、財閥改革などやれるのか」となどと攻撃した。
当時の報道などによると、文氏はこの問題に関する大統領府担当記者らからの質問に「盗聴に対する捜査はすでに国家情報院が独自に行っており、検察の捜査も並行して行われている。特別検事に捜査を任せるとしても、実際に活動できるのは3-4カ月後であり、それまでは問題にふたをすることになるので、(特別検事は)見た目は良いが使えない。実効性はない」などと主張していた。要するに特別検事の導入に文氏は反対していたのだ。一連の疑惑に文氏に近い関係者は「当時は党、政府、大統領府の立場が一致しており、実際に特別検事が捜査を始めるまでに数カ月はかかる状況だったので、文氏の発言に何も問題はない」「話にならない主張を並べ立てて政治攻勢をしているようだが、いちいち対応する価値などない」などとして批判を一蹴した。