<トランプ時代>トランプ-習近平の2人「アルファドッグ」衝突、韓国に機会も(1)

<トランプ時代>トランプ-習近平の2人「アルファドッグ」衝突、韓国に機会も(1)

2017年01月23日13時27分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
comment
0
share
このエントリーをはてなブックマークに追加
mixi
  ウルトラスーパーパワー米国の大統領になってもナルシストの視野には米国しかない。昨年の大統領選挙でトランプ氏は遊説とツイッターで孤立主義者・保護貿易主義者・白人優越主義者のカラーを意図的に誇示した。しかし候補のトランプ氏と大統領のトランプ氏は違うと期待した。その期待が幻想であったことが20日のトランプ氏の就任演説で明らかになった。トランプ氏はこのように宣言した。「今日から新しいビジョンが米国を支配する。今日から米国優先主義(only America first)だけがある。貿易・関税・移民・外交問題に関するすべての決定は米国人労働者と米国人家族に恩恵が向かうように推進される」。

  米国大統領の就任演説としてはおかしい。米国に雇用を増やすということ以外には米国が進む方向を提示しなかった。ビジョンもなく哲学もない大学生の雄弁大会レベルの就任演説だった。このためトランプ政権の韓半島(朝鮮半島)政策を含む対外政策は、トランプ氏が選挙遊説とツイッターで繰り返した発言とメッセージから読み取るしかない。トランプ氏が不確実性の時代を開いたというが、二つのことが鮮明に表れている。

  一つはトランプ氏の欧州政策が盲目的ということだ。英国の欧州連合(EU)離脱を歓迎する言葉でEUを揺さぶり、北大西洋条約機構(NATO)は旧時代の遺物と主張した。戦後70年間ほど欧州の安定と平和を支えてきた経済の欧州共同体と軍事・安保のNATOを揺さぶる目標が明確でない。欧州の弱化はロシアの利益に奉仕するだけだ。大統領選挙でサイバーハッキングで自分を後押ししたプーチン露大統領に対する恩返しだというにはあまりにも無謀だ。

  対照的なのがトランプ政権の東アジア政策だ。中国牽制という目標が明確だ。なぜ中国牽制なのか。一つは経済だ。米国の対中国貿易赤字は900億ドルを超える。トランプ氏はこれを中国の為替操作のためだと考えている。このため中国の腕をねじって人民元を切り上げさせ、貿易収支を改善しようということだ。もう一つは太平洋戦略だ。言うことをよく聞く日本を率いて東・南シナ海で中国の軍事崛起を抑えることだ。トランプ氏が国務長官にプーチン大統領と親しいティラーソン氏を任命したのも、こうした背景からみると尋常でない。中国の首を後ろからじわっと押していこうということだ。

  しかし米中貿易規模は5000億ドルを大きく超え、中国が保有する米国債券は1兆1200億ドルにのぼる。商売人気質が優れたトランプ氏は中国に対する圧力手段として「一つの中国」は交渉の余地がある(negotiable)と言うが、米国と中国が経済的に共倒れになる貿易戦争や南シナ海での軍事的衝突にまで進むことはできない。

  トランプ政権の安保ラインはジョージ・W・ブッシュ政権のネオコンに劣らない軍事的強硬派で構成された。「狂犬」というニックネームの国防長官ジェームズ・マティス氏とホワイトハウス国家安保補佐官マイケル・フリン氏がその代表的な人物だ。外交安保ラインの次官と次官補級までがネオ-ネオコンで満たされれば、北朝鮮の崩壊論と先制打撃論は全盛時代を迎えるだろう。花火をするようにミサイルを発射し、6回目の核実験まで準備する金正恩(キム・ジョンウン)労働長委員長には、強力で確実な抑止力が唯一の対応策であることに間違いない。

<トランプ時代>トランプ-習近平の2人「アルファドッグ」衝突、韓国に機会も(2)
【今日の感想】この記事を読んで・・・
興味深い
悲しい
すっきり
腹立つ
役に立つ

今日のイチオシ記事