21日に脳リンパ腫のため亡くなった松方弘樹さん(享年74)と親交の深かった俳優・千葉真一(78)が本紙の取材に応じ、別れを惜しんだ。
※以下は千葉真一のコメント
最後に会ったのは2年前、京都の撮影所ですね。まったく病気があるって知らない時。酒をやめた松方くんに「良かったね、やめられて」と言っていた矢先にこんなことになっちゃったもんですから。
親の七光といえども、彼はお父さんの近衛十四郎さん以上のものを映画俳優として残してきた。日本では大変な演技派としての素晴らしい役者でした。本当にまだまだこれから活躍しなきゃならない時に…悔しいというか残念というか。
本当にもう、ため息が出るだけですよ。まだまだ仕事したい人たちがこうやってどんどんいなくなって。日本の映画界の損失ですね。立派な日本を代表する俳優として育っていた方ですから。
松方くんは、いま日本の映画界で一番必要な人なんですよ。いろんなことを知っているし、若い人に伝えなければならない一番の先生。それができる男なんです。次の世代に伝えるべききちんとしたものを身につけた人ですから。本当にまだまだやってほしかったし、伝えてほしかったし、悔しいですね。悲しいですね。
一番絡んだ作品は「影の軍団」だとか「柳生一族の陰謀」「仁義なき戦い」。印象に残ってるのはいっぱいあるけれども「沖縄やくざ戦争」という2人で主演やった映画は面白かったですね。彼は芝居のとってもうまい人だから。
もっともっと付き合っていけばよかった。こんなに早く逝くとは思わなかったから。日本の財産が亡くなってしまったという感じですかね。
彼はとっても人柄がよく、普段いっぱい友達がいた。酒癖と女癖が悪いところが欠点(笑い)。あとは最高じゃないでしょうか。役者としては本当にすごい役者だったでしたから。酒癖が悪い、女癖が悪い、そんなものは帳消しですよ。役者ですから、それはそれでいいじゃないですか。
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