山中慎介、12度目防衛戦は3・2両国国技館…縁起良い場所で稀勢に続く!
プロボクシングWBC世界バンタム級王者・山中慎介が、験のいい会場で12度目の防衛戦をKOで飾る。3月2日に両国国技館で、同級9位カルロス・カールソンとV12戦(報知新聞社後援)を行うと都内で発表。勝てば元WBA世界ライトフライ級王者・具志堅用高の持つ13度防衛の日本記録に王手がかかる。国技館では過去3戦全てでKO勝利。縁起の良いデータに乗って、大相撲の稀勢の里の初優勝で沸いた国技館を再び熱くする。
V13という大記録が見えてきたが、山中の表情は膨らむばかりの周囲の期待をよそに落ち着いていた。勝てばV12。国内歴代単独2位となるが、80年に具志堅が決めて以降、未到達。前WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者・内山高志や元世界3階級制覇王者の長谷川穂積といった名王者も届かなかった数字だ。それでも「回数にこだわりはない。今まで同様、一戦一戦という気持ちで戦いたい」と静かに語った。
昨年9月の11度目の防衛戦では、V9戦で苦戦したアンセルモ・モレノ(パナマ)を相手にダウンの応酬の激闘の末、7回TKO勝ち。本場の米国メディアが年間最高試合に選出するなど、国内外で高い評価を受けた。そのためか、帝拳ジムの浜田剛史代表(56)は「(ランク)1位から15位まで声をかけて応じてくれたのがカールソンだけだった」と明かした。
その中でも山中は、前回以上の内容にしたいと誓った。「最近の2試合はダウンを食らって、反省点もある。モレノ戦以上のインパクトを残して、KO決着で終わらせられたら」。データの裏付けもある。国技館では過去3戦(ノンタイトル1、世界戦2)全てでKO勝利しているのだ。
その国技館では22日まで大相撲初場所が行われ、稀勢の里が初優勝。横綱昇進が確実になった。元横綱・千代の富士と生前に交流があるなど、角界ともつながりがある山中は「日本人横綱が出てくるのはうれしい。この流れに乗って両国を盛り上げられるように」と力を込めた。今度は“神の左”が、国技館を熱狂に包み込む。(三須 慶太)