帝国データバンクは24日、2016年の映画・映像関連企業の倒産動向をまとめた。倒産件数は27件と、前年に比べて12.5%増えた。「君の名は。」や「シン・ゴジラ」など邦画のヒットが相次ぎ、映画興行収入は過去最高を記録したものの、中小の映像制作会社では資金繰りが行き詰まるケースが増えている。
映画・映像の制作会社、配給会社、映画館を対象に同社が集計した。業種別にみると、制作会社で前年より4件多い26件が倒産した。昨年11月には映画「ALWAYS 続・三丁目の夕日」などを制作した映画制作会社のクロニクル(東京・港)が破産するなど、ヒット作に関わった制作会社も経営破綻に追い込まれている。
帝国データバンクでは、取引先のテレビ局からの受注減少や、クライアント企業の経費削減などが響いているとみている。ヒット作が続出しているものの、中小の映像関連会社の収益への波及は限定的なようだ。
映画・映像関連企業の倒産は2年ぶりに増加に転じたが、大型倒産がなかった影響で負債総額は前年比34.6%減の25億6100万円だった。