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両親「SOS気付かぬ教師は失格」

生徒が作文で「いじめはつづいています」と訴えていた

 東京電力福島第1原発事故で福島県から新潟県北部に避難している公立中学1年の女子生徒が、同級生から名前に「菌」を付けて呼ばれるなどのいじめを受けていた問題で、生徒の両親が毎日新聞の取材に応じた。生徒が作文で「いじめはつづいています」と訴えたのに見過ごされたことに対し、「娘の明確なSOSで、大事な部分に気付かないのであれば教師失格だ」と不信感をあらわにした。

     女子生徒は2012年夏に家族と新潟県内に避難した。転入した小学校でいじめに遭ったといい、昨年7月に中学の授業で書いた作文では「人間なのに」と題し、小学生時代のいじめの内容を詳述。男子グループから悪口を言われ「とてもつらかったです」などとつづり、後半部分では中学生になってからも「まだいじめはつづいています」と記した。

     両親によると、学校側は訴えを見逃した理由を、両親には「国語の担当教諭が途中までしか読んでいなかった」と説明したが、地元教育委員会の記者会見では「教諭は後から全文を読んだが、いじめを把握したかは記憶にない」とするなど説明が変遷。両親は「都合の悪いことを隠そうとしている」と訴えた。

     学校側は昨年12月中旬、いじめに関わった11人の生徒を指導した。両親によると、反省文を書かせた際、監督していた教諭が動画サイトを閲覧しているのを加害生徒が目撃したといい、謝罪に訪れた生徒の一人は「自分たちがしたいじめはこの程度の(軽い)ことなんだと思った」と話したという。

     また、学校の調査では、加害生徒の一部は女子生徒が避難者であることを「知らなかった」と話しているといい、学校側はいじめと避難とは「関係ない」としている。これに対し、両親は「避難者だということはみんな知っているはずだ。学校は切り離したいのだろう」と指摘した。

     女子生徒は「学校が怖い」と話し、1月からは一度も登校できていない。両親は「学校には真実を話し、娘が安心して学校に行ける環境を整えてほしい」と望んでいる。【後藤結有、堀祐馬】

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