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「ワンオペ育児」~自らの育児をブラック労働に例える悲痛な叫び 長時間労働による夫の不在が孤独と不安を増幅~

日本の人事部 1/20(金) 7:30配信

「ワンオペ育児」とは、女性が一人で子育てや家事を、人によっては仕事まで担わざるをえず、疲弊している状況を表した言葉です。ファストフード店などが従業員一人にすべての業務を切り盛りさせていたことで社会問題になった「ワンオペ」(ワン・オペレーション)が語源で、2014年頃からインターネット上を中心に広がり始めました。話題になった背景には、単身赴任や独り親の家庭が増えているほか、長時間労働で夫の不在が多く、親族や地域のサポートも受けにくくなっていることなどから、女性が孤立感を深めている現実があります。

自らの育児をブラック労働に例える悲痛な叫び 長時間労働による夫の不在が孤独と不安を増幅

牛丼店などで従業員一人が休憩も取らずにすべての業務をこなす「ワンオペ」が大きな社会問題になったのは、2014年でした。同じ頃、育児や家事を独りで切り盛りせざるをえない母親の状況を、そうしたブラック企業の労働環境に重ね合わせた「ワンオペ育児」なる言葉がツイッターなどで使われ始め、ここへきて大きな話題となっています。政府や企業、メディアなどが喧伝した言葉ではありません。当事者である子育て中の女性たちが自ら発し、拡散させた悲痛な叫びであるだけに、問題はより一層深刻といえるでしょう。

総務省が行った社会生活基本調査(2011年)によると、一日に家事関連で使う時間は、女性が平均3時間35分であるのに対し、男性はたったの42分。女性の社会進出は進んでいるにもかかわらず、家事・育児の負担が女性にばかりのしかかっている状況は変わっていません。また、厚生労働省の調査によると、夫の休日の家事・育児時間が長い夫婦ほど第2子を持つ傾向が大きく、男性の協力の度合いが出生数に影響していることがうかがえます。

かつて高度成長期の頃までは、女性は結婚すると専業主婦になるというライフコースが一般的でした。そして「夫は仕事、妻は家事・育児」という性別役割分業意識から、専業主婦の仕事は家事や育児だとされてきました。しかし、役割分担を受け入れたはずの専業主婦からも、最近は「ワンオペ育児はつらい」といった声が上がり始めています。この背景には、夫の長時間労働の問題があると言われています。

労働経済学が専門の早稲田大学の黒田祥子教授の調査によると、平日に10時間以上働くフルタイム男性の割合は、1981年には20%だったのが、2011年には44%まで増加。労働時間が長くなると当然、帰宅時間は遅くなります。総務省が11年に実施した社会生活基本調査によると、末子が3歳未満の専業主婦の家庭では、夫の平日の平均帰宅時間は午後8時44分で、06年の調査時より27分遅くなり、約4割の夫が午後9時以降に帰宅していました。パートナーの“不在”により、育児への実質的なサポートが得られないだけでなく、孤独や不安をより感じやすくなり、精神的に追い詰められてしまっているのかもしれません。

最終更新:1/20(金) 7:30

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