盟友・梅宮辰夫、松方さんは「弟のようだった。寂しい」
俳優の梅宮辰夫(78)が24日、神奈川県内で取材に応じ、21日に脳リンパ腫のため死去した俳優・松方弘樹(まつかた・ひろき、本名目黒浩樹=めぐろ・こうじゅ、享年74)との思い出を語り、盟友の死を悼んだ。
互いを「辰兄(たつにい)」「弘樹」と呼び合い、公私ともに兄弟のように仲の良かった2人。梅宮は昨年3月から都内の病院に何度も見舞いに何度も訪れたが「行くたびに元気がなくなっていった」。12月20日の対面が最後となった。「ほとんど意識がなかった。ボーッとしている状態。『おいっ』と話しかけても反応がなかった」。体重は40キロまで減っており、手を握ると「骨だけという感じだった」。
映画「仁義なき戦い」シリーズなど共演の印象が強いが、「劇での10回ほど。釣り番組の方が(共演が)多い」と懐かしそうに振り返る梅宮。昨年1月に放送されたバラエティー番組が最後の共演となった。放送後の2月に松方さんは入院。見舞いに行くと「辰兄の弁当が食べたい」とねだり、事実婚の元女優・山本万里子さん(44)には「治療が終わったら、(梅宮とよく一緒に行った)沖縄の与那国島でリハビリをするんだ」と夢を話していたという。入院中に意識がはっきりしていたのは5月ころまでだった。
訃報は亡くなった21日に電話で届き、密葬に参列した。参列者は山本さん、松方さんの弟で俳優・目黒祐樹(69)らわずか6人程度だったという。火葬場で荼毘(だび)に付された遺骨を見て「(添えられた)遺品も花もない。骨だけがバラバラになって出てきた。悲しかったですね。人間ってこんなに簡単なんだと思った」と目頭を抑えた。
「昭和の映画スターの最後の生き残り。今ね、あいつみたいな生き方したら、すぐ潰される。今の芸能人は『すいません。僕が間違ってました』という態度ですけど、あいつは『何が悪いんだ』と一歩も退かなかった。それを貫き通した。大したやつだと思っている」と松方さんの生き様を称え、「しょっちゅう気になる存在。弟のようだった。あいつまでいなくなっちゃって、寂しいです。悲しいです」と涙ぐんだ。