2016年11月26日、新宿文化センターで行われた『中国嫁』作者のトークイベント『出産おめでトーク 中国から逃げてきました』に参加してきました。
例によってFeedlyでイベント開催情報を知り、オンラインでチケットを購入して行ってきました。
ごく小規模のイベントでした。
受付で、名前と予約番号を伝えたら簡易的なチケットをくれて、パイプ椅子に貼ってある番号と照らし合わせて着席する方式でした。
前売2,000円、当日券は2,500円。
60〜80人位参加していたように思います。
会場貸切の費用と、スタッフが司会1名カメラ1名受付2名。(何名かは井上さんの身内とかかも…)
間にイベント会社を入れて、会場を押さえたりチケットの販売とかは、その会社が代行しているようです。
このイベントで、作者はどのくらい儲かるのか…10万円位かな…とか、そんなことばかり気になってしまいました。
原稿押してるのに、トーク後に懇親会までやってて果たして間に合うのか!?とか。
(井上さんのトークによれば、恒例の書き下ろし部分が、ネームだけあって、何も手をつけておらず、一週間で50ページ描かなきゃならないと言っていました。)
私がイベントに参加した目的
私はマンガ『中国嫁日記』のファンであり、井上さんが製作しているフィギュアには興味がありません。
ただし個人事業主だから、商売の仕組みや収支、共同経営者にカネを持ち逃げされた顛末・その後には興味があります。
そういう視点で、何の話であれ、おもしろそ〜と思って、イベントのみ参加申し込みしました。
実際行ってみて、案の定男性ばっかりでしたよ…。
中年の男の人1人で来ている人ばっかりだったみたい。女性は数人しかいませんでした。
ここに来ている人はたぶん『中国嫁日記』単体のファンというよりは、圧倒的にフィギュアの愛好家で、井上さんのファンという人ばっかりのような印象を受けました。
「出産おめでトーク」の内容は!?
肝心の嫁さんの話や、出産のエピソードはほぼほぼありませんでした。次の単行本にも出産エピソードはまだ載らないそうです。(次の次の巻に載るんだと思う。)
息子さんは、可愛いそうです。
正確には…
「嫁さんより自分に顔が似ていてどちらかと言うとブサイクとわかっているけれども、やっぱり脳内補正で可愛く見える!」と、しきりにおっしゃっていました。
「今回のことで、あらゆる育児マンガを読みあさったけれども、自分の子を可愛く描くのは当たり前! 可愛く描かない人間のほうが少数派!!」
というところから、次第に、話はなぜかネットの「炎上」の話へ…。
井上さんが、マンガの印象よりずっとずっと過激な人で驚きました。
ほとんど暴言に近いような発言もあったけれども、的を射ているので面白かった!
私としては、全体的に楽しめるイベントでしたよ。
ネットを炎上させるのはこんな人だ!
特に「炎上」の話がおもしろかったので私のいい加減な記憶に基づいて、少しご紹介します。
なお、当エントリーにおける井上さんの発言は全て私の記憶から書き起こしたため、言い回しや解釈などにまちがいがあるかもしれないことをお断りしておきます。
はじめに、お嫁さんが安定期に入るまで、ブログにも妊娠の事実を描かなかったのは「もしも流産したときに、原因さがし、犯人探しが始まってブログが炎上すると思ったから」と言っていました。
流産て…そういうものではないはず。〇〇したからとか、××がいけなかったとか妊婦を責めるようなことではなくて、ただ単に、たまたまの生物学的なエラーでうまく育たなくて流れちゃうことのほうが多いと思うんだけど、ネットではそんなの通用しないんでしょうね…。
井上さん曰く「炎上を引き起こす放火魔は、ほとんどサイコパスみたいな奴らだから、常識は通用しない。社会の中では0.4パーセントしか存在しない稀な人種であるが、ネットだと1か所に集まってしまう。そういう人が、どういう人間かということは、それぞれがバラバラであって規定できない。」
「炎上を起こす人は稀だが、そこに集まって煽りたてる人間はどういう人が多いかは、調査の結果わかっている。そういう人は、大体男性で比較的高収入を得ていて、学歴も高く、結婚して子どもが1人いる」と。
これは井上さんの個人的な見解ではなく、たしか『ネット炎上の研究』だったと思いますが、分厚い専門書を読み込んで得た知識だそうです。
井上さんは結論として、奴らはサイコパスだから、目をつけられちゃうとほぼ逃げるのは無理…ということを言っていました。常識も通用しないわけで、最終的には、炎上とか気にするのをやめたそうです。
ただ、炎上しやすい人と、そうでない人(=人のコンプレックスを刺激しない人)がいるとも言っていて、ここでは伏せますが、具体的な育児マンガの題名と作者名を挙げて言っていました。
井上さんの中では、何をどういうふうに描いたら炎上しそうか、また、炎上を避けるにはどうしたらいいか、という方法論もありそうなかんじ。
しかしながら「炎上を避けるだけ避けて、誰からもイチャモンつけられないように行儀のいいことばっかり書いたりツイートしてても全然っおもしろくない」ということも言っていました。
確かに、その通り。
私もブログを書いていて、一応は気をつけてはいるけど、どちらかと言うとヤバイ、批判的な内容のほうが賛否両論あってよく読まれているみたいなんですよねー。過度に炎上を恐れると、何も書けないし、読んでいて本当につまらんものしか書けなくなっちゃいそう。
その、さじ加減は非常に難しいですね。
これまでの中国嫁の内容は、どこも炎上したり非難されたりしそうにもない穏当な内容で、ほのぼのオモシロイ四コマだと思っていたので…
それがこんなにも計算し尽くされて描かれていたなんて…と意外でした。
スゲー人だなと思った!
と同時に、嫁さんへの大きな愛を感じた。
嫁をネタにはするけど、ネットで攻撃されないように守る! 実在が疑われるほどまでに、徹底的に顔出しもせず、プライバシーも守る!
それも愛。本物の愛があるからこそ、マンガがおもしろいんだよね…。
今後育児マンガ化する『中国嫁日記』に、期待!!(いや、でも嫁さんメインのほうが断然おもしろいんじゃないかとは思います。)
その他のおもしろトークの内容
- なぜ、未だ横領犯を訴えられないのか→相手がトンズラして住所不明のため、訴状が届けられず訴えられないという、日本の法律上のモンダイ。
- でも、実はその人にヤクザが絡んでるのを知っちゃったら、当分裁判は無理め。
- 今wikiの人と裁判やってるけど、皆、ネットに悪口を書くときはこういうことに気をつけよう!の役に立つ豆知識。
- フィギュアは儲からないから、今後は撤退します宣言。
- マンガに集中して、経済マンガも描きます予告。
- 福満しげゆき先生大好き!アピール。
などなど…。
盛りだくさんでメチャメチャおもしろかったです。
中国の話も少しありました!
19:05に開始して21:00頃まで、ほぼ井上さんの独壇場でした。
年明けの1/7にまたイベントがありますが、行くかどうかは単行本読んでから考えます。今月末発売予定!
次回のゲストは、フランス人の嫁をネタにマンガを描いているじゃんぽ〜る西先生だそうです。
イベントの前には、サイン会もあるそうです。(新刊の持ち込みもOK)
詳しい情報と予約はこちらのサイトからどうぞ→