トランプ米大統領が環太平洋経済連携協定(TPP)離脱の大統領令に署名したことを受け、関係閣僚は24日の閣議後の記者会見で、改めて米国の参加が必要との認識を示した。米国を除く11カ国での協定では効果が薄いとし、米国側に翻意を促す構えだ。
世耕弘成経済産業相は「トランプ政権側にTPPの戦略的、経済的な意義を粘り強く訴える」と述べた。石原伸晃経済財政・再生相も「腰を据えて理解を求めていく」とし、「自由貿易体制が世界経済の成長の源泉であるという考えに変わりはない」とした。
麻生太郎財務相は日本経済に即座に影響は出ないとしたうえで、「米国と日本双方にメリットがあるなら続けていこうとなる」と指摘。山本有二農林水産相は「トランプ政権は始まったばかり。TPPへの考え方もおのずから変わっていくのではないかとの期待感を持っている」と述べた。
萩生田光一官房副長官は米国抜きの協定発効について「米国抜きでは意味がない。11カ国を前提として考えていない」と強調した。政府は24日付で、TPPの対外交渉を統括する政府代表を務める大江博首席交渉官が交代し、外務省に出向する人事を決めた。後任は改めて発表する。
