さて前回、CIAがUFOや超能力に関する極秘調査を行っていたというニュースをお伝えしたが、今回はその続編である。
スプーン曲げで世界的に有名となった超能力者、ユリ・ゲラー氏の名前は耳にしたことがある人は多いだろう。日本にも来日し、テレビ番組で超能力的なものを披露していた。
新たに公開されたCIAの機密文書から、ユリ・ゲラー氏の超能力を確かめるために8日にも及ぶ実験を行なっていたことが明らかとなった。
この実験は”スターゲート”と呼ばれ、1973年にスタンフォード研究所で実施されたものだ。
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ユリ・ゲラーに対して行われた実験の内容
まずゲラー氏は締め切られた部屋に入れられる。別室にはCIA局員がおり、辞書を無作為に開いてそこに載っていた単語から連想した絵を描く。これをゲラー氏がどんな絵だったのか当てるというものだ。
その単語の1つは「ヒューズ」であったが、局員は「爆竹」を描いた。その結果、「彼からほとんど即座に帰ってきた反応は、”中から騒音が聞こえてくる筒”が見えた」というものだった。それから彼は「太鼓といくつもの筒状の物体」を描いた。
「ヒューズ」という単語から局員が描いた「爆竹」
image credit:Freedom of Information Act Electronic Reading Room | CIA FOIA (foia.cia.gov)
ゲラー氏は即座に「中から騒音が聞こえてくる筒」と回答。彼が描いたのは「太鼓といくつもの筒状の物体」である。
image credit:Freedom of Information Act Electronic Reading Room | CIA FOIA (foia.cia.gov)
2つめの単語は「房」である。ここから「ぶどうの房」が描かれた。文書によると、ゲラー氏の即座の反応は「水滴」だった。次に「紫の円」と口にした。最後に「ぶどうの房」を描き、自信があると答えた。ゲラー氏の絵も局員の絵も24個でなるぶどうの房であった。
左はCIA局員が「房」から連想して描いた「ぶどうの房」
右はゲラー氏が描いたもの
image credit:Freedom of Information Act Electronic Reading Room | CIA FOIA (foia.cia.gov)
このほか東海岸にいる科学者が描いた素描を当てさせるという、長距離でもテレパシーが働くかどうかを確かめる実験も実施された。ここでもカリフォルニアにいるゲラー氏は絵を部分的に再現することに成功している。
こちらは凧の絵。左:CIA局員、右:ゲラー氏
image credit:Freedom of Information Act Electronic Reading Room | CIA FOIA (foia.cia.gov)
左:局員は「ラクダ」を描いた。
右:ゲラー氏は確信を持てず、結局「ウマ」を描いた。
image credit:Freedom of Information Act Electronic Reading Room | CIA FOIA (foia.cia.gov)
お題は「カモメ」。左:CIA局員、右:ゲラー氏
ゲラー氏は即座に丘の上を飛んでいる鳥と地面にいる鳥の姿が見えた言い、ほぼ同じ絵を描いた。
image credit:Freedom of Information Act Electronic Reading Room | CIA FOIA (foia.cia.gov)
局員が描いたサンフランシスコのゴールデンゲートブリッジの遠景
image credit:Freedom of Information Act Electronic Reading Room | CIA FOIA (foia.cia.gov)
これに対し、ゲラー氏はいくつかの四角の下に曲線を数本描いたが、自身何の絵なのか分かっていなかったそうだ。
image credit:Freedom of Information Act Electronic Reading Room | CIA FOIA (foia.cia.gov)
だがすべての実験に成功したわけではない。
これは局員の描いた「悪魔」の絵
image credit:Freedom of Information Act Electronic Reading Room | CIA FOIA (foia.cia.gov)
ゲラー氏はこれに対し、30分間で3種の絵を描いた。
モーセの十戒の石碑、地球、三又のヤリがある(左)。表面から虫が顔を出しているリンゴ、ヘビらしきものもいる(真ん中)。上部にモーセの十戒、中央に神の文字、外側に三又のヤリらしきものが描かれた絵(右)。
image credit:Freedom of Information Act Electronic Reading Room | CIA FOIA (foia.cia.gov)
左は局員による「太陽系」。
右のゲラー氏の絵には多くの類似点が認められる。
image credit:Freedom of Information Act Electronic Reading Room | CIA FOIA (foia.cia.gov)
これらの実験により、ゲラー氏が部分的にしか一致しない絵を描くときがあったことから、科学者たちは「対象物である素描の線をイメージしているのではなく、それらについてある種の精神的プロセスを経たうえで絵を描いている」と確信した。
CIAは最終的にユリ・ゲラーに超能力があることを認める
こうした一連の実験を経て、CIAはゲラー氏が「説得力ある、明白な形でその超常認知能力を証明」したと結論付けた。
つい先日、CIAは1,200万ページにも及ぶ930,000点の機密文書を公式サイト上で公開したばかりだ。これは1999年からメリーランド州にある国立公文書記録管理局で閲覧できたものだが、今回より広く一般に公開されることになった。
image credit:Freedom of Information Act Electronic Reading Room | CIA FOIA (foia.cia.gov)
ユリ・ゲラーのメディア出演は諜報活動の隠れ蓑だった!?
この公開を受けてゲラー氏は、エンターテイナーとしての仕事が諜報活動の「いい隠れ蓑」だったとコメントする。
「正しさが証明されたって? 疑う人なんて気にしませんよ。CIAとは色々やりました。彼らは僕にメキシコのロシア大使館の前に行って、ロシアから送られてきたフロッピーディスクを消去してもらいたがってましたよ」
「ある人に近寄って、核の契約にサインさせなければならないこともありました。その人に”サインしろ、サインしろ、サインしろ”って念じるんです」
「ブタの心臓を止めろって言われたこともあります。多分、うまくいけば、KGBの長官だったアンドロポフの心臓を止められたからでしょう」
「ジョージ・クルーニーが僕役(『ヤギと男と男と壁と』)を演じていましたが、ヤギじゃなくて本当はブタだったんですよ」
なおゲラー氏はMI6(英秘密情報部)と実験を行なったことがあるか問われ、それについては「ノーコメント」と答えている。
via:timesofisrael・mirror・dailymailなど/ translated hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
ブドウの絵なんて完全に一致してる
こんな偶然はないからイカサマが無いとすれば間違いなく超能力があるということだろう
2. 匿名処理班
どっちの絵もうまくないのが、かえって本当っぽくていいかも。ユリゲラー以外にどのくらいの被験者がいたのやら。
3. 匿名処理班
科学者だろうがトリックを見抜く能力は素人と変わらんとジェームズランディーが言ってただろ。
それと一緒。
4. 匿名処理班
彼の超能力の秘密は気配を読むことに鋭いんじゃないかな。
人は他人が感じていることを読む能力は元々あるしね。
5. 匿名処理班
超能力の存在は信じていない。
だが未解明の事象なので完全否定をする気もない。
そして、信じていないと言いながらも、そのメカニズムを想像するのは大好きだ。
6. 匿名処理班
今まで彼の事は下手な手品師だと思っていたが、 CIAすら認めるんなら、そこそこの腕がある手品師だったんだな。まあ、ちゃんとした手品師には敵わないだろうけど。
7. 匿名処理班
絵を透視していたのではなく局員の表情とかで何となくわかったんだろうね
勘は鋭い人は本当に凄い
8. 匿名処理班
旧ソ連も研究していましたね
政治目的ではなく、平和利用なら
もっと研究してもらいたいもんです
9. 匿名処理班
なお相手がマジシャンになると体調不良になる模様
10.
11.
12. 匿名処理班
「モルダーあなた・・・」
「君が何を言いたいのか最後まで聞かずともわかった」
「すごいわ。超能力ね」
13. 匿名処理班
超能力も科学で解明できるものだと思うよ
14. 匿名処理班
自分にとっては、42.195kmをたった2時間弱で走るマラソンのトップランナーも十分超能力者だと思ってる。
15. 匿名処理班
初歩の初歩のトリックだと思うんだけど、1970年代ならともかくまさか今どきこれで騙される人間もいないでしょ(笑)。これ明らかにCIAとユリゲラーがグルだよね。実験方法の前提が既におかしい。
もし本気でこの手の実験をしたいのであれば、最低限ユリゲラーとは人種も使用する言語も異なる複数の被験者(もちろんゲラーと面識のない人)に何のために行うのか告げずに自由に絵をかいてもらい、それを同時にユリゲラーが書き写してみせるぐらいのことをしない限り意味はない。スプーン曲げのトリックは今やコテコテの手品のネタに成り下がったし・・・超能力にロマンを感じることまで否定はしないけど、今更ユリゲラーはないでしょうよ(笑)。
16. 匿名処理班
超能力を自分が持っているとしても、やっぱり周囲には言わないな。
ユリ・ゲラーのように権力者の面倒なことに巻き込まれそう。
テレポーテーションとか、周囲で金が無くなったら疑われたりナ・・。ww
17. 匿名処理班
今年はケネディの暗殺の件も公開されるんじゃなかったっけ?
18. 匿名処理班
これ肝心なスプーン曲げの実験資料は無いんだよね
透視よりそっちの方が興味あった
19. 匿名処理班
ユリゲラーだけってのが勿体無い。同じような実験を多数の候補者に行って、成績の良いもの同士で通信実験をしてみて欲しかった。
20. 匿名処理班
※14
2時間強な
2時間弱だと2時間切っちまうだろ
21.
22. 匿名処理班
通信交換するともっと強くなるんだよなぁ・・・
23. 匿名処理班
>ジョージ・クルーニーが僕役を演じていましたが…
別の人物だった気が…はっ、それもCIAの情報戦略かw
『ヤギと男と男と壁と』原作『実録・アメリカ超能力部隊』は茶化しているけど、CIAが当の局員に知らせずLSDなどを投与して観察するという実験をしていたこと。
そして一人を転落死させたというのを告発してるんだよね(他にも後遺症などに苦しんだ人がいるだろう)。
24. 匿名処理班
ソ連でも盛んに行なわれていたな。
この実験も、別室や遠隔地間での透視だからトリックの余地はないだろう。
この程度の能力なら、程度の差こそあれ多くの人がもっている。
透視、遠隔透視(千里眼)、テレパシー、未来予知等は、母の師匠の関西の占術、霊学の大御所(伊勢神宮の神官に霊学の講義をしていた)が当たり前のようにやっていたし、妹がいわゆる霊能を持っていて、似た様な人間が集まるので、もう驚かなくなった。
皇室で男子がなかなか誕生しなかった時期に、皇居に呼ばれて男子誕生の可能性を聴かれた5人の内の1人も知ってるし。