福島第一原発事故で横浜市に自主避難をした児童が「賠償金あるだろ」と言われ、ゲームセンターなどで150万円支払わされた。子どもを守るべき教育長が、これを「いじめと認定できない」と発言したことへの怒りが広がっている。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】
【動画】いじめに悩む子ども達に、経験者は語りかける
批判を受けているのは、横浜市教育委員会の岡田優子教育長が1月20日、市議会常任委員会でした「関わったとされる子どもたちが『おごってもらった』と言っていることなどから、いじめという結論を導くのは疑問がある」という発言だ。
「おごってもらった」と言えば、小学生に150万円を払わせてもいじめにはならないのか。納得はできない。
なぜ、150万円払わされることがいじめではないのか。岡田教育長は、この件について調べた第三者委の判断を理由にあげた。
「(第三者委はおごりの)背景にいじめがあったことが推察できるという言い方をしています。第三者委員会の結論は第三者委員会の結論ですから、それを覆すことなんてできないじゃないですか」
つまり、背景にいじめがあったと推察できても、認定はできないということなのか。それでは、市教委としてどうすれば認定できるのか。
「市教委として認定できるのかは、再発防止委員会の中でしっかり議論して考えていく。ただ、あれだけ厳しい第三者委員会が出した結論を、そんなに簡単に覆すことは難しいですよ、という話を(市議会で)した」
BuzzFeed Newsが弁護側に提供を受けた横浜市の第三者委員会の報告書によると、男子生徒は震災の5ヶ月後、2011年8月に福島県から2年生で転校してきた。
直後から名前に「菌」をつけられるなどのいやがらせを受け、不登校に。小学5年生になった2014年には、「プロレスごっこ」と称して数人の児童から叩かれるようになった。
また、横浜駅やみなとみらい周辺のゲームセンターでの遊興費、食事代、交通費などをすべて、負担させられた。男子生徒の説明に基づくその回数は、計10回ほど。1回につき5万~10万円で、自宅にあるお親の金を持ち出していた。
これが、問題になっている「150万円のおごり」だ。担当弁護士によると、生徒側はこの金額が総額150万円にのぼるとしているが、学校側は8万円しか確認できていない、としているという。
男子生徒はその後、2度目の不登校に。2015年12月には生徒の両親が市教委に調査を申し入れ、2016年1月、第三者委員会が市の諮問を受けて、調査を開始。11月にその結果が報告書にまとまった。
一方、報告を受けた横浜市教育委は12月、検討委員会を設置。当時の対応の検証を始め、神奈川新聞によると、2017年3月にも結論をまとめる方針だという。
そして、1月20日、横浜市議会の常任委員会。
岡田教育長が、その進捗を報告する際に飛び出したのが、「関わったとされる子どもたちが『おごってもらった』と言っていることなどから、いじめという結論を導くのは疑問がある」という先述の発言だった。
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