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iPS細胞提供を一時停止 試薬取り違えの可能性

iPS細胞の一部提供停止について記者会見する京都大iPS細胞研究所の山中伸弥所長(中央)、高須直子副所長(左)ら=京都市左京区で2017年1月23日午後4時31分、三浦博之撮影

 京都大iPS細胞研究所は23日、外部の研究機関へ提供するため研究所でストックしていたiPS細胞(人工多能性幹細胞)2種類のうち1種類の提供を取りやめると発表した。作製時に試薬を取り違えた可能性があるためで、今夏をめどに作り直す。所長の山中伸弥・京都大教授は記者会見し「このような事態を招いたことを深くおわび申し上げる」と謝罪した。

     試薬を取り違えた可能性があるのは、新生児のさい帯血から作製し昨夏に提供を始めたiPS細胞。既に13機関の23のプロジェクトにこの細胞を渡したが、トラブルなどは報告されておらず、ヒトには使用されていない。提供を停止するのはヒトへの臨床応用を前提にしたケースで、研究用としては引き続きそのまま提供するという。

     iPS細胞は、血液の細胞に遺伝子や試薬を入れて作製する。同研究所では、iPS作製時に使う試薬のチューブには番号や使用期限を書き込むためのラベルを貼っていた。

     ところが昨年11月、別の試薬にこのラベルを貼ったものが見つかったことから、本来の試薬と取り違えたり、両者が混在したりするなどした疑いが浮上した。作製したiPS細胞を調べたり、研究員に聞き取りを行ったりしたが、「誤使用がなかった明確な証拠は得られず、万一ヒトに使用した際の安全性にも確証が持てない」として、提供停止に踏み切ることにした。

     さらに、同研究所は、ラベルの管理の厳格化、記録の徹底などの再発防止策をまとめた。【畠山哲郎、宮川佐知子】

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