VPN禁止でネットが規制だらけに
中国当局が今年の春から1年弱かけて、ネット規制回避で使われるVPNの全面排除に乗り出す。中国人はもちろん、在中外国人のネットワーク制限は厳しさを増しそうだ。
VPNの設置・運用の登録義務化
中華人民共和国工業情報化部(工业和信息化部)は、1月22日付で当局が許可したVPN以外をすべて禁止する通知”关于清理规范互联网网络接入服务市场的通知”を発布した。原文は下記サイトで見ることができる。
本通知に基づいて3月31日よりデータセンタ(IDC)、インターネットサービスプロバイダ(ISP)およびコンテンツデリバリネットワーク(CDN)の各事業者のVPN登録義務化し、無許可のVPNサービスすべてを排除する。
ポイントは次の4点。
- どのような接続であるかは問わない(IDC、ISP、CDNすべて同じ)
- 違法な設置とそのサービス利用を等しく取り締まる
- 又貸しの禁止
- 国境を超えた当局の認可を取らない違法な展開の禁止
影響が大きいのは4番目。
許可を受けた(国内の)業者以外は、すべて自前のVPNサーバの構築・運営はもちろん、それらを借りることも取り締まりの対象としている。
国を挙げての違法VPN撲滅運動
これに合わせて、『中国政府は14ヶ月におよぶ違法サービスの撲滅運動を実施する』とサウスチャイナ・モーニング・ポストは伝えている。
Beijing has launched a 14-month nationwide campaign to crack down on unauthorized internet connections.
意訳:北京(中国当局)は14ヶ月の非認可インターネット接続を取り締まる全国キャンペーンを立ち上げた。
China tightens Great Firewall by declaring unauthorised VPN services illegal
前回の海外アプリストア禁止(参考記事:中国から海外アプリストア締め出し)と同じ理論で、許可されていない海外VPNサービスを一斉排除する可能性が高い。
もっとも、有名なVPNサービスはすでにブロックされている。また、国内の検索(百度など)では、海外VPNサービスを検索しても引っかからない(中国語:翻牆『壁超えの意味』)ので、知っている人と知らない人の差がさらに広がるだけとも言える。
在中の方は、複数サービスを事前準備しておくことを強くおすすめする。
