潘基文氏、実弟の贈賄疑惑でピンチ

 潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長が、贈賄容疑などで米国の検察に起訴された弟ギサン氏(69)の問題で苦境に立たされている。潘基文氏側は、朴淵次(パク・ヨンチャ)泰光実業元会長から2005年と07年に計23万ドル(約2700万円)の裏金を受け取ったとされる疑惑に対し、反論する記者会見を23日に行うことが分かった。

 ギサン氏は2014年に韓国の大手建設企業「京南企業」がベトナムで所有する複合商業ビル「ランドマーク72タワー」を売却する際、カタールの高官にわいろとして50万ドル(約5800万円)を渡そうとしたとして米国で起訴された。米検察が韓国法務部(省に相当)にギサン氏の身柄の引き渡しを要求していたことが22日に分かり、韓国政界では潘基文氏に説明を求めている。

 潘基文氏は21日午前、関係者から関連内容の報告を受けたという。同氏側はプレスリリースで「親族の問題でご心配をおかけして申し訳ない。(潘基文氏本人は)この事件については全く知らないが、厳正な(司法)手続きが行われ、国民の疑問が一つ残らず解消されることを希望する」と述べた。

 韓国政界ではこぞって説明を要求している。最大野党「共に民主党」は「『修身斉家治国平天下』(天下を治めるには、まず自分の行いを正しくし、次に家庭を整えよ)という忠告を胸に刻んでほしい」と述べた。与党「セヌリ党」の鄭容起(チョン・ヨンギ)院内首席報道官も「国民が納得できるように説明しなければならない」と言った。野党第2党「国民の党」は「潘基文氏が『全く知らないこと』などと言うのは、国民に対する礼儀に反する」と、与党非主流派が結成した「正しい政党」は「はっきりと説明しなければならない」と述べた。潘基文氏側は「これまで取りざたされた疑惑が虚偽であることを証明する記者会見を順次準備しているところだ」と話している。

イ・オクチン記者
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