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母ちゃんが教える 52 『思い込み』

人付き合い①

 

 

母ちゃんです。

 

 

相談事を持ってくる人の中に、

 

「それは、関係ないやろ。」

 

の一言で、気持ちが楽になる人がおる。

 

 

その人らは、考え方に少しクセがある。

 

 

 

起こったこととは関係ないのに、思い込みで

事実をねじ曲げて捉えてしまうんやな。

 

 

そしてそのクセは、自分を苦しめる。

 

 

 

母ちゃんは、そういう人の話を聞くたび、

これはすぐ楽にしてやれるなと安心する。

  

 

 

 

 

まだまだ若く、まもなく30才になる男性は、

仕事の飲み会や友達と会う前など、それが長

い付き合いのある人であってもそうでなくて

も、あることをしないと心が落ち着かないと

言う。

 

 

それは、心を落ち着ける事前準備らしい。

 

 

その人は、「自分に自信がない。本来の自分

は暗いし、明るい話もできへん。事前準備を

しとかんと、本来の自信のない自分が出てき

て、とても楽しめやん。」と言う。

 

 

自分と人を楽しませないと、自分の存在価値

がないように考えてしまっている。

 

いつもどんなことでも真面目に受けとめる。

 

 

 

その人は、色んな相談を持ってきてくれた。

 

 

母ちゃんは、その人の持っているものを信じ

ていたので、あえて厳しく接していた。

年の離れた弟のように思っていた。

 

 

思い上がった言動があったり、人を大切にし

やんと自分の気持ちだけしか見えてへん時に

は、遠慮なく怒った。

 

 

いつかいい人を見つけて幸せになりたいと言

い、母ちゃんに叱られても叱られても、

めげずに頑張り続けた。

 

「厳しさの中にある愛情に気づいたよ。」

 

と、いつも誠実に反省した。

 

 

母ちゃんに怒られるのは嬉しいと、そう言え

る人やった。

 

怒られる度、一生懸命自分の中で考えては、

 

「母ちゃんが言ってくれたことは、これやっ

たんやな。」

 

と、嬉しそうに話してくれていた。

 

言われたことは、すぐ直した。

やりなということは、すぐ行動した。

 

 

その言動の全てには、よく驚かされた。

素直で、真面目で、一生懸命な人やった。

 

 

 

 

 

ある日のこと。

 

 

「こないだ、母ちゃんに言われた通りに、

ありのままの自分で人と関わってみようと思

って、気持ちを落ち着ける事前準備はせん

と、勇気出してそのまま飲み会に行ってみて

な。」

 

 

「ふーん。頑張ったな。」

 

 

「でもな、そしたらその日は、なんか楽しく

なくて盛り上がらんくて、うまくしゃべれや

んだし、この事前準備はしたほうがいい?

それともせんほうがいい?なんかありのまま

でおるのが怖くなってきて。」

 

 

「それは、関係ないな。」

 

 

「え?」

 

 

「それはな、自分の心が勝手に作り出した思

い込みというやつやでな。メンタル事前準備

をしてかんかったからうまくいかんかったと

思っとるんやろ?」

 

 

「うん。そう。」

 

 

「関係ないから気にせんでええよ。それしよ

うがしまいが、全くもって関係ない。」

 

 

「何で?何でそう思うん?」

 

 

「そんなん、自分がそれをしてかんかったこ

とに頭がいっぱいなだけで、うまくしゃべれ

やんのも何か楽しくないのも、全部それをし

てかんかったからやと思い込んどるだけや

わ。関係ない。

 

それを結びつけてしまうと、うまくいかんこ

とに気持ちが落ち込んできて、さらに楽しめ

やんのやわな。

 

顔にも言動にも出とるやろで、まわりの人も

そんな感じやったら話もふりにくいしな。

 

だいたい、自分が楽しませようってのがおか

しいんやって。誰にも頼まれてへんやろ。」

 

 

「本当?そうなん?本当に?」

 

 

「うん。スポーツ選手とかにルーティンとか

あるの知っとるやろ?あれはな、本来関係な

いし、やらんでもええんやで。

 

結果はな、天性のセンスや才能ももちろんの

ことやけど、それだけ努力して、練習して、

そのすべてが出るだけやでな。

 

実力とは関係ない。選手達もプロやからな、

そんなん本当は、分かっとるんよ。

 

でもな、ルーティンをすることで気持ちを落

ち着かせて、安心して試合に挑めるでな、

ほんであれはするんよ。

 

メンタル弱くて本番弱い人もおんでな。

 

ほんで、あれ試合結果に関係ないけどな。

努力したもんが勝つ。ただそれだけやわ。

 

本来の自分と違う、無理矢理作り出した自分

の事前準備なら、そんなもん本当にする必要

のないやつやろ。」

 

 

「わははは。そうか~。関係ないか~。でも

さ、どうしてもしたかったらしてもいい?

それして落ち着くならしてもいい?」

 

 

「したかったらするやわ。

それで落ち着いてから行きたいなら、

したらええんちゃう?

 

全く全然ちっともすげ~関係ないけど、

ど~~~しても、その意味のないのをやりた

かったらやるやわ。

 

関係ないし、意味ないけど。

気持ちの問題なだけやけど。」

 

 

「わははははは。分かった~。」

 

 

 「ところで、近いうち女の子とデートあるっ

て言っとったけど、特に何かしゃべろうと思

わんでもええでな。自分がそんなにしゃべる

の得意じゃなくて暗くなってしまうなら、

そのままおらな、自分に合う人かどうか分か

らんやろ?

 

無理して付き合っても、後がもたんでな。

女の人も、ドキドキしたいもんやから、

その緊張感が、ちょうどええんちゃう?

 

どうしても気になるなら、ちょっと自分はこ

ういうの緊張しちゃってしゃべれやんくなる

タイプなんやって素直に言っといたらいい。

 

素直にそう言ってくれる人を、嫌う女の人は

おらんわ。」

 

 

「あははは。分かった~。」

 

 

 

 

その人は、とても気持ちが優しい。

優しいからこそいろんなことを考えて過ごし

ている。

 

そして、幸せになりたいと、日々負けそうに

なる自分と闘っている。

 

 

そんな一生懸命な人やからこそ、つまらん思

い込みで落ち込まんようにしてやりたい。

 

 

思いやりのある人でおってくれること、

いい人に出会えて幸せになってくれること、

 

母ちゃんはそれを、心から望んでいる。

 

 

そしてその人なら、必ず叶えられるはずや。

叶わんわけがない。

 

 

 

 

 

 

 

気づいてない。

 

 

本当は、弱くなんかない。

 

わがままはあかんと、母ちゃんに怒られても

怒られても、逃げへんかった。根性がある。

 

チャンスはちゃんと逃さんとつかんでくる。

行動力もある。

 

いつもどんな時も、心から反省した。

 

 

めげずによく頑張った。

 

 

 

それから、人としても面白い。

 

よくしゃべる。

もっと詳しく言うと、聞いて聞いてのタイプ

なので、ずっとしゃべっとる。

 

次から次へと気になる女の子を見つけては、

次はどんな人なのか、話してくれていた。

 

母ちゃんは、また惚れたんやなと、その人の

惚れっぽさに、よく笑った。

 

惚れっぽいということは、人のいいところを

見つけるのがうまいんやな。

ええことや。

 

それでも、熱しやすく冷めやすいのがあかん

とこで、それについては、母ちゃんに怒られ

ていた。

 

 

「自分やってあかんとこあるくせに、

何で人はあかんのや。許したらなあかん。

 

そんな小さな人間ではあかん。

男なら、器の大きな人にならなな。

 

女の嘘を気づかんフリできやんようでは、

あかんわ。モテへん。

モテる男は、それを笑って流すんや。

 

いつまで女の人に夢見とるんや。

自分と同じ年の女の人で、学生の頃のような

純粋な恋愛できる人は、もう残っとらん。

 

ちょっとやそっとのことで、いちいち冷めと

ったら、誰もおらんくなる。」

 

と、言っていた。

 

よく笑うし、配慮もできる。

 

 

 

その人は、母ちゃんを信じてくれていて、

母ちゃんもまた、心から認めていた。

 

 

 

 

 

思い込みは、何にもないところから作り出せ

てしまう。

 

自分の心が勝手に作り出すんやな。

 

 

 

あなたがうまくいかんと思っとるそれは、

思い込みかもな。

 

思い込みが、本来のあなたらしさを、隠しと

るだけちゃう?

 

ゆっくり落ち着いて、深呼吸してから、

もう一回のんびり考えてみ。

 

 

多分、関係ない。

 

解決方法は、本来のあなたに戻ることや。

そのために、思い込みを捨てることや。

 

 

ほんでそれ、生きてくのにそんなに大事なこ

となんか考えてみ。

 

その人達は、これから生きていくのに必要な

人達なんか考えてみ。

 

そうでもないやろ。

 

大丈夫や。

 

 

 

 

 

自信持ちなな。

本来のあなたは、ダメなんかじゃない。

 

 

大丈夫や。

 

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