■「米国優先」で韓国に負担増
トランプ大統領が就任演説で同盟国に配慮する発言を行ったのは「古い同盟を強化していく」と述べた部分だけだった。その上で、「この国の軍隊が悲しくも消耗していくのを許しながら、外国の軍隊を援助してきた。自分たちの国境防衛を拒否しつつも、外国の国境を守ってきた」などと米軍が駐留する同盟国に対する不満を遠回しに何度も表明した。トランプ大統領は候補時代に「韓国はカネを稼ぐ機械なのに米国にごくわずかのカネしか支払っていない」と発言している。
韓米の防衛費分担金交渉を担当してきた韓国外交部は、米国の追加負担要求に備え、内部で対策づくりに着手した。新たな交渉は来年1月に始まるが、基本ガイドラインの設定や交渉担当者の人選などはそれ以前に終える必要がある。防衛費分担金問題が韓国国内の反米感情を刺激しかねない点も政府にとっては重荷だ。
■「核」に言及なく「テロ」最優先
トランプ大統領は就任演説で「文明世界を一致団結させ、イスラム過激主義のテロと戦う」と述べる一方で、北朝鮮の核問題には一切言及しなかった。ホワイトハウスも「米国優先主義」の外交政策の一つとして、「イスラム国(ISIS)と他のイスラム過激派を撲滅することが最優先になる」と指摘した。北朝鮮の核問題がトランプ外交の優先順位に含まれるかどうかははっきりしない。
韓国政府は北朝鮮の核問題と韓半島政策の優先順位を高めるため、キム・ホンギュン外交部韓半島平和交渉本部長を米国に派遣し、トランプ大統領就任後初めて、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議首席代表会合を行う計画だ。22日から25日にかけては、趙賢東(チョ・ヒョンドン)公共外交大使が訪米し、トランプ政権・議会関係者と会うほか、主要シンクタンクを回り、懇談会を開く予定だ。