河村氏は「市民虐殺はなかったのではないか。通常の戦闘行為はあったが、政府見解でも『虐殺』は認めていない」とも述べた。一方で政府は、被害者の人数は諸説あるとしつつ、「日本軍の南京入城後、非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できない」(外務省ホームページ)との見解を示している。
あまりにも軽率な発言であることは間違いありません。数年前に橋下徹元大阪都知事が慰安婦問題についてコメントし、様々な方面から批判されましたが、それと同じぐらい愚かな発言であることは間違い無いと思います。
この発言の何がまずいのでしょうか。日本政府としては「非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できない」と日本政府のステートメントとして表明しているのに、彼は自分勝手にその認識を捻じ曲げて解釈していることです。
個人的にはこれが国際問題、特に尖閣諸島の領有権問題に飛び火することが一番日本政府にとってまずいことです。中国政府は尖閣諸島を武力を使って領有権を主張しておりますが、尖閣問題を歴史問題の一端であると主張しています。つまり、尖閣諸島で日中が対立している中でのこの発言は、中国政府の主張に利する結果になってしまうわけです。国際世論の中で「日本は歴史問題で反省していないから正直どっちもどっち」の雰囲気になってしまうことが一番まずいのです。まさに「百害あって一利なし」や「一番の敵は愚かな味方」なわけです。