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【社会】

「まだいじめ つづいています」 原発避難の新潟生徒、昨年7月に作文で訴え

 東京電力福島第一原発事故で福島県から新潟県に避難している公立中学一年の女子生徒が、複数の生徒から「菌」と呼ばれるなどした問題で、女子生徒の両親が二十二日、新潟日報社の取材に応じた。女子生徒が作文に書いたいじめの訴えを国語教諭が見落とすなど被害を把握できなかったと説明している学校側に対し、「もっと早く気付いてくれたら、深刻な事態にはならなかった」と憤った。 

 「人間なのに」と題した作文は原稿用紙四枚分。女子生徒が昨年七月に授業で書いた。小学校時代に受けたいじめを書き連ね、中学でも「まだいじめはつづいています」と訴えた。「私のできることはいじめられている人をたすけてあげること」ともつづった。

 「つらいことを思い出して書いている。強くなったねと言いたい」。父親は自宅で取材に応じながら作文を示した。

 両親によると、国語教諭は昨年十二月に謝罪に訪れた際、作文を「最後まで読まなかった」と話した。しかし、二十一日夜の保護者会で校長は、全文に目を通したか明言せず「小学校のいじめの内容と受け取り、中学の部分は見落とした」と繰り返したという。一方、地元の教育委員会は二十一日の会見で「夏休みに最後まで読んだ」とした。

 女子生徒は小学三年だった二〇一二年八月、家族と共に福島県から自主避難した。福島の小学校の担任からは「誰とでも仲良くなれる子だから心配ない」と言われていたが、転校直後にいじめが始まり、自傷行為をしたこともあった。

 中学入学前、両親は小学校でのいじめを踏まえ「娘を注意深く見守ってほしい」と中学側に伝えた。女子生徒は作文以外にも、担任に孤立感などを相談していたという。現在は中学でのいじめで「学校が怖い」と話しており、三学期は一度も登校できていない。

 

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