編集という仕事を始めてから、私は書籍を読めなくなりました。正確には“楽しんで”読めなくなってしまいました。職業病というものなのかもしれません。
カバーや紙面のデザインといった目に見える部分はもちろん、書籍を企画した編集者の意図、定価から予測される初版部数と売り上げなど、内容以外のことが気になって仕方ないのです。
好きなことを仕事にしないほうがよい、とよく聞きますが、その通りだと思います。仕事にすると当然、お金が絡むわけで、お金が絡むと楽しいことばかりではなくなります。
編集者を志す人はみんな書籍が好きなのだと思います。好きなことが好きでなくなる、嫌いとまではいかないけれども楽しくなくなる、というのは良いことではありません。
書店に行くことも同じで、以前は面白そうな書籍を探しに行っていたものが、いまは最近の売れ筋や類書のラインナップの調査といったように、仕事前提で見に行くようになってしまいました。
今日の帰りもそういう気持ちで書店に寄ったのですが、前回のブルータスの表紙に惹かれてつい買ってしまいました。
「危険な読書」
2015年1月のブルータスは「読書入門」だったので、毎年1月は読書特集なのでしょうか。「今年こそ本を読む!」という人に向けたものなのかもしれません。
まだざっとしか読んでいませんが、良い意味で変な書籍が紹介されているようです。「この書籍を企画した編集者は変態じゃね?」と思える愉快な書籍に出会えるでしょうか。
私も今年こそ本を読もうと思います…編集者にあるまじき今年の目標です。