22日午前6時28分、ソウル地下鉄2号線の蚕室駅を出発して蚕室セネ駅に入ってきた車両の前部分で火災が発生した。この火災で、機関士と車掌が乗客に待機を指示して確認作業を進めている途中に、乗客らが自らドアを開けて非常脱出していたことが分かった。2014年4月に起きた旅客船「セウォル号」沈没事故で、乗客が船員による「待機指示」を守ったために脱出が遅れ、多数の犠牲者を出したことから、事故のトラウマが乗客のこのような行動につながったとみられている。
車掌は車両に停電と発煙などの問題が発生していることに気づき、6時28分に「煙が発生している」と車内放送を流し、確認作業を進めているため待機するよう乗客に指示した。
その後、車両を停車させて状況を確認しようとした瞬間、乗客たちは非常コックを操作し、車両のドアと駅のホームドアを開けて車両から外へ飛び出した。
車両の状態を目視確認した車掌は、6時30分に緊急避難の案内放送を流した。しかしその時点で乗客のほとんどは、すでに車両から脱出していた。
このため一部の乗客は、車掌が乗客をすぐに避難させず「お待ちください」と放送したことについて不満をあらわにした。セウォル号沈没事故当時の船長・船員と同様に、地下鉄を運行するソウル・メトロも乗客を守る義務を怠ったというわけだ。
しかしこれに対し、ソウル・メトロは「車両が駅に進入している途中に煙が出たため、走行中の車両の外に乗客を避難させられる状況ではなかった」と釈明した。
ソウル・メトロはさらに「火災発生直後、煙が発生しているため待機するよう放送したのは確かだが、(セウォル号事故のように)動くなというような指示をしたわけではない」として「(事実関係を確認するまで)待つようにと案内したが、乗客たちは待たずに(ドアを)開けて出てしまった」と説明した。
また「(乗客たちが)非常脱出の方法を誤って線路に出てしまえば、もっと大きな事故が起きかねない。われわれのマニュアルによると、(事故の)確認作業を行った上で非常脱出を誘導することになっているが、乗客たちは焦って自分たちで先に脱出した」として、マニュアルに従った対応だったことを強調した。