蹴球探訪
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【首都スポ】大学ラグビー サントリー戦に向け、必勝誓う帝京大のフッカー堀越 学生最後の日本CSチャレンジ2017年1月21日 紙面から
V9への船出を飾るぞ!! ラグビー日本選手権は21日、大阪・花園ラグビー場での準決勝2試合で開幕する。大学選手権8連覇の“絶対王者”帝京大はトップリーグ王者のサントリーに挑む。日本選手権は来季から大学枠廃止が決定し、帝京大は学生最後のチャレンジャーとなる。来季の主将に決まったフッカー堀越康介(3年・桐蔭学園)は「勝ちに行く」と力強く宣言。来季の大学V9に向け、打倒トップリーグで幸先よいスタートを切る。(大友信彦) 堀越は「すごい楽しみですね。僕らはチャレンジャーですから、思い切りぶつかって、絶対勝ちにいきます!」と目を輝かせた。大学ラグビーの絶対王者・帝京大にあって今季12トライはチーム最多。攻撃力抜群のフッカーにして、来季の主将だ。大学では無敵のシーズンが続く帝京大が格上にチャレンジできるのは日本選手権だけ。だが、自分が率いる来季はそのチャンスがないのだ。 「トップリーグ勢に勝つこと、日本一になることは僕らの目標の一つですから。正直いえば、やりたい気持ちはあります。でもそれより、自分たちのやるべきことを積み上げて、9連覇を達成することですね」 自分たちでコントロールできないことに無駄なストレスを抱えない。それよりも目の前の目標に挑むのが先だ。日本選手権準決勝でぶつかるサントリーとは昨年10月16日に練習試合で対戦。相手が控え主体だったとはいえ、19−24という接戦を演じ、手応えをつかんでいる。 「コンタクトの強さは大学生とは全然違っていたけど、通用するところもたくさんあったし、自分たちもそれからフィジカル強化のトレーニングをしてきた。サントリーも10月とは戦術も全然違っているけれど、しっかり分析して戦いたい」 勝負のポイントは?の問い掛けには「サントリーは速いテンポで順目順目にボールを動かして、縦に強いランナーが入ってくる。そこでしっかりタックルすること。一発で止めきるのが大事だと思います」。口調に気負いは見えず、あるのは挑む喜びと冷静な視点だ。 冷静なスタンスを支えているのは積み重ねてきた多彩な経験だろう。高2で高校日本代表に選ばれ、高3でU−20(20歳以下)日本代表入り。帝京大1年の終わりにはU−20日本代表の主将を任され、U−20世界選手権では史上最高の10位。大会前も大会中も、強敵に大敗を重ねながらチームの士気を保ち、粘り強いキャプテンシーで目標達成に導いた。 「どんなときもやっていかなきゃいけないですからね」 一方で、子どもたちも指導する。帝京大が運営をサポートするR&B(帝京大のチームカラーであるレッド&ブラックの頭文字)ラグビークラブで、堀越は小学3〜6年生を担当している。 「ラグビーでは危ないこともやるから、しっかり目配り気配りしないといけない。子どもは飽きやすいし、ちょっかいも出してくる(笑)。大変なんですが、忍耐力も身に付いた。これはラグビーにつながっていると思いますね」 そんなキャリアを重ねてきただけに「U−20のキャプテン経験を大学でも生かしたいと思いました」。堀越自身、大学のラストイヤーは主将を背負う自覚があったという。 帝京大の主将は3年生が決める。自分たちのリーダーには誰がふさわしいか、自分たちで徹底して話し合う。「みんなの意見を聞いていて、自分で思っている自分と、周りが見ている自分に違いがあると知りました」。発言に責任と行動が伴っている。ラグビーでも生活でも波がない−。同級生からはそんな高い自分評が聞かれたという。 「これまで先輩キャプテンの姿を見てきて、自分ではまだ責任感が足りないと思っていたけれど、みんながそう見てくれていることで、主将を務める決意が固まりました。これからの1年間は、今まで以上に自分に厳しくしていきたい」 トップリーグ王者・サントリーへのチャレンジが1年後の大学V9への第一歩となる。そんな覚悟、決意とともに決戦に向かう。 <堀越康介(ほりこし・こうすけ)> 1995(平成7)年6月2日、群馬県藤岡市生まれの21歳。174センチ、102キロ。フッカー。帝京大教育学部教育文化学科3年。小学3年のとき高崎ラグビースクールでラグビーを始める。藤岡西中では柔道部。神奈川の桐蔭学園に進み、高2で高校日本代表、高3でU−20日本代表に選ばれ、帝京大2年の2016年6月、U−20世界選手権で主将として日本を史上最高の10位に導く。帝京大では2年からプロップ、フッカーとして出場。3年の今季は開幕2戦目から全試合に出場した。 ◆岩出監督も絶大なる信頼「選ばれるべき人」「選ばれるべき人が(主将に)選ばれたんだな、と思いますね」。帝京大の岩出雅之監督は堀越の主将選出についてそう言った。主将選出は学生に任せている。「勝つためには、4年生全員が、どんなときも妥協なく頑張らないとけない。そのためには全員が納得できるリーダーを自分たちで選ぶことが大切ですから」というのが理由だ。 「堀越はいいキャプテンになると思いますよ。寡黙だけど、発する言葉に説得力がある。迷いがないし、幼さは感じません。副将の尾崎とのバランスもいいですしね」 日本選手権で対戦するサントリーの流大(ながれ・ゆたか)主将は一昨季、帝京大が日本選手権でトップリーグのNECを破ったシーズンの主将だ。サントリーが優勝すると、岩出監督はLINEで祝福するメッセージを送り、「手を抜けよ、真剣にやりすぎや」とジャブを入れた。 「でも全然乗ってこない。真剣な返事しか返ってこないんです(笑)。やっぱり自分が勝った経験があるから、分かってるんでしょうね」。師弟対決・舌戦部門では弟子が一歩リード? ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。 PR情報
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