数字としての貯金額
「年相応の貯金」について考えると正解が分からなくなる。家族を巻き込んでお金がない状態はしんどいし、貧困状態で健康を崩したらおしまいだから最低限の蓄えが必要なのはよく理解できる。
だけど、独身でそれなりの労働環境で働ける状態にあるなら、中途半端に貯金があってもあまり意味がない。起業やセミリタイアができるレベルならともかくとして、定年まで働くのは変わらないだろうし、まるで現実感がない。
2,000万円を超えた数年前あたりから預金口座はただの数字になってきた。貯金額の問題よりもお金の使いみちが思い浮かばないのが問題である。本来の2000万パワーズは超人強度1000万パワーを誇る元・悪魔超人バッファローマンと、1000万の技を持つとされる 覆面超人モンゴルマンのタッグチームだけど、僕にはタッグパートナーがいないからこそ増えていったのであろう。
インドア独身貴族にはお金の使い道がない
35歳独身彼女なし、万年主任待遇、学生時代から変化のない娯楽、やきとん屋での週末独りのみが人生の楽しみ #新橋タラレバおじさん
— 池田仮名 (@bulldra) 2017年1月21日
別に極端な高収入でも守銭奴でもないはずだけど、週末のやきとん屋が2,000円、3TB HDDが8,000円、電子書籍が無料ないし安価に買えて、映画や音楽はAmazonプライムやDMMの見放題chライト
で見放題・聴き放題ができる時代。洋服はユニクロだし、散髪は1000円。SNS、録画テレビ番組、ジョギング、ポケモンGO、全部無料。40インチの液晶テレビですら70,000円だ。独身でインドア生活だとお金の使いみちが本当にない。
株式投資などもしてみたが、その認知資源で読書をしたり、文章を書くべきだと思ったので、半分退場でほったらかし投資しつつ、むしろ殖えて戻ってきてる。アイドル、キャバクラ、ギャンブル、ソシャゲ、信仰、クラウドファウンディングなどに重課金して話題になる人々はおそらく僕と同じような状況にあるのだろうけれど、それらに喜んで課金するのにも才能がいる。納得できないことには1円だって払いたくないなかで、皆は何に使っているのだろうか。
生き甲斐搾取をされたい
モノにはお金を使えない一方で、1000万円の1%は10万円なんだから1日単位の相場で増減するものと簡単に諦められるのもまた不感症が進みすぎている。10万円をドブに捨ててへらへらしている自分を客観的にみれば完全な異常者であろう。鰻屋に1万円払う方がまだ現実味があるし、相席屋にでも行ってみたほうが幾分かマシだ。
家族がいるなら家を買おう、車を買おう、旅行にいこうってなるのだろうし、教育費や養育費にむけての貯金にも生き甲斐を感じられるはず。そうなったらもう少しだけ頑張れそうな気がする。結局のところでそれらがいちばん安心できる投資先なのだろう。
『逃げるは恥だが役に立つ』に「好きの搾取」や「やり甲斐の搾取」という言葉でてきたけれど、喜んで搾取されるに足る生き甲斐が欲しい。垂れ流されていく剰余価値の生き甲斐搾取をされたい。まずはDMM Okanで家事代行でも頼んでみるか。
- 作者: 本多静六
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
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