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改憲議論「急ぐ必要はない」56%

 毎日新聞が21、22両日に実施した全国世論調査によると、5月に施行70年を迎える現行憲法について、国会で改正の議論を「急ぐ必要はない」との回答は56%で、「急ぐべきだ」の35%を上回った。改憲に前向きな勢力は衆参両院で3分の2を超える議席を占めており、安倍晋三首相は20日の施政方針演説で「(改憲)案を国民に提示するため、憲法審査会で具体的な議論を深めよう」と呼びかけた。しかし、内閣支持層でも「急ぐ必要はない」(48%)は「急ぐべきだ」(44%)よりやや多い。

     天皇陛下の退位については「将来の天皇も退位できるように制度を変えるべきだ」が65%で最も多く、「今の陛下に限り退位できるようにすべきだ」は22%、「退位を認めるべきではない」は4%だった。政府は一代限りの特別立法で対応する方針だが、こうした世論などに配慮し、皇室典範の付則に根拠規定を設けて制度化に近づける案を検討している。

     組織的な犯罪集団が犯罪を準備した段階で罪に問えるようにするため、政府は「共謀罪」の構成要件を絞り込み、「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案を今国会に提出する予定。民進党など野党は捜査当局による人権侵害につながると批判している。今回の調査では法案に「賛成」は53%と過半数を占め、「反対」は30%だった。

     次期衆院選の議席数については、「野党が増えた方がよい」(45%)と「与党が増えた方がよい」(42%)が拮抗(きっこう)した。支持政党はないと答えた無党派層では「野党」が61%に上り、「与党」は26%だった。

     日本老年学会は今月、高齢者の定義を「65歳以上」から「75歳以上」に見直すべきだという提言を発表した。これを踏まえて年金や医療制度などの対象年齢も見直すべきかを聞いたところ、「見直す必要はない」(48%)と「見直す方がよい」(41%)に分かれた。50代と60代では「見直す必要はない」が5割を超え、年金支給開始が先送りされることなどへの不安をうかがわせた。【今村茜】

     【調査の方法】1月21、22日の2日間、コンピューターで無作為に数字を組み合わせて作った電話番号に、調査員が電話をかけるRDS法で調査した。福島第1原発事故で帰還困難区域などに指定されている市町村の電話番号は除いた。18歳以上のいる1647世帯から、1014人の回答を得た。回答率は62%。

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